北京証券取引所への上場を目指す、威海市天罡儀表(832651/北京)が6月9日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。1065万株を発行予定で、公募価格は12.88元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
 
 同社は1993年設立の民営企業で、2011年に株式会社化した。超音波式熱量計、超音波式水量計などの超音波計器の研究開発、製造、販売を主業務としており、ソフト・ハードを組み合わせた一体化製品によるソリューションプランを提供する。超音波式熱量計は中国北部の冬季集中暖房供給地域で主に利用され、山東省済南市、山西省太原市、吉林省長春市などの供給会社を顧客に持つ。また、水量計は広東省広州市、浙江省杭州市、湖南省長沙市、江蘇省などの水道供給会社で利用されている。このほか、各種メーター製品がドイツ、ポーランド、イタリア、英国、ブラジル、トルコ、オーストリア、ベルギー、フランスなど10カ国・地域でも販売され、好評を博している。

 22年12月期の売上構成は、超音波式熱量計が48.16%、超音波式水量計が29.82%、スマート調節制御端末が10.28%。同社の「天罡」ブランド超音波式熱量計は「山東省名牌製品」に認定されている。熱量計分野において長きにわたり市場をリードする地位を確保してきたほか、水量計分野でもメーターのスマート化を契機に急速に売上を伸ばしている。技術開発力の高さ、製品からサービスまで一貫したソリューションプランを提供できること、世界先進レベルの性能を持つ製品が提供できることなどを強みとする一方で、さらなる成長に向けた生産能力の強化、技術人員の充実が課題となっている。
 
 22年12月期の売上高は2億3896万元(前期比1.56%減)、純利益は5716万元(同5.04%減)。23年1〜3月期の売上高は4433万元(前年同期比28.31%増)、純利益は990万元(同19.07%増)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)