17日の中国本土マーケットは、主要指標の上海総合指数が前日比31.63ポイント(1.01%)高の3154.03ポイントと続伸した。
 中国経済対策の期待感が相場を支える流れ。中国は財政政策を強化しているほか、不動産支援策を相次ぎ打ち出している。不動産市場のテコ入れに向け、中国人民銀行(中央銀行)と国家金融監督管理総局は17日、住宅ローン規制の緩和、住宅公共積立金(公積金)の金利引き下げを通知した。また、何立峰・副首相は17日の会議で、売れ残った住宅を地方政府に買い取らせる方針を示している。一方、取引時間中に公表された中国経済指標はまだら模様。今年4月の鉱工業生産は予想を上回ったものの、4月の小売や1〜4月の固定資産投資が予想にとどかなかった。1〜4月の不動産開発投資は減少率が拡大している。中国景気の鈍化が懸念される中、指数は安く推移する場面もあったが、後場途中から再びプラスに転じ、引けにかけて上げ幅を広げた。(亜州リサーチ編集部)
 業種別では、不動産の上げが目立つ。保利発展控股集団(600048/SH)や金地集団(600383/SH)、緑地HD(600606/SH)、北京城建発展(600266/SH)、上海城投(600649/SH)などがそろってストップ(10.0%)高した。
 ゼネコンや建材などインフラ建設関連も高い。廈門建発集団(600153/SH)が5.7%、上海市北高新(600604/SH)が5.0%、浦東建設(600284/SH)が3.8%、中国建築(601668/SH)が3.5%、北京金隅集団(601992/SH)が3.8%、福建水泥(600802/SH)が2.5%ずつ上昇した。
 金融株もしっかり。興業銀行(601166/SH)が1.8%高、招商銀行(600036/SH)が1.7%高、中国平安保険(601318/SH)が5.0%高、中国太平洋保険(601601/SH)が3.7%高で取引を終えた。ハイテク株、軍事関連株、エネルギー株、公益株なども買われている。
 半面、医薬株はさえない。山東魯抗医薬(600789/SH)が4.0%、健民薬業集団(600976/SH)が2.6%、津薬達仁堂集団(600329/SH)が1.8%、無錫薬明康徳新薬開発(603259/SH)が1.5%ずつ下落した。
 外貨建てB株相場は、上海B株指数が2.34ポイント(0.93%)高の255.14ポイント、深センB株指数が3.39ポイント(0.30%)高の1125.40ポイントで終了した。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)