週明け20日前場の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比96.57ポイント(0.49%)高の19650.18ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が28.80ポイント(0.42%)高の6963.50ポイントと3日続伸した。売買代金は923億1790万香港ドルとなっている(17日の前場は910億2520万香港ドル)。
 内外環境の改善が相場を支える流れ。先週の米株市場で主要指標のNYダウが史上最高値を更新したことや、中国政府が景気支援スタンスを強めていることが好感されている。中国の景気持ち直しペースが加速すると期待された。ただ、上値は限定的。ハンセン指数はこのところ急ピッチに上昇し、足もとでは約9カ月半ぶりの高値水準を切り上げている。売り圧力も高まる状況だ。
 一方、寄り付き前に発表された実質的な政策金利となる最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」に関しては、銀行貸出の指標となる1年物LPRは3.45%、住宅ローン金利の指標となる5年物LPRは3.95%に予想通り据え置かれた。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、中国スポーツ用品大手の李寧(2331/HK)が6.4%高、民間自動車メーカーの吉利汽車HD(175/HK)が5.1%高、マカオ・カジノの銀河娯楽集団(ギャラクシー・エンターテインメント:27/HK)が4.9%高と上げが目立った。
 株価指数を算出するハンセン・インデックシズ(HSI)は17日引け後、四半期ごとに行っている指数構成銘柄の定期見直しの結果を発表。ハンセン指数の構成銘柄に、電子機器製造受託サービス(EMS)中国大手の比亜迪電子(BYDエレクトロニック:285/HK)を新規採用した(6月11日付で組み入れ)。同社の株価は2.8%高で前場を終えた。一方、除外される碧桂園服務HD(6098/HK)株は1.3%高。一時はマイナス圏で推移していた。
 自動車セクターもしっかり。吉利汽車のほか、小鵬汽車(9868/HK)が7.8%、浙江零ホウ科技(9863/HK)が5.6%、比亜迪(BYD:1211/HK)が2.2%ずつ上昇した。
 非鉄セクターも物色される。新疆新キン鉱業(3833/HK)が7.0%高、江西銅業(358/HK)が5.3%高、中国アルミ(2600/HK)が4.6%高で引けた。中国景気の持ち直しで、非鉄需要が増えると予想されている。20日午前のロンドン金属取引所(LME)では、銅先物が過去最高値を更新した。
 半面、中国不動産セクターの一角はさえない。遠洋集団HD(3377/HK)が4.8%、広州富力地産(2777/HK)が4.5%、世茂集団HD(813/HK)と中国奥園集団(3883/HK)がそろって3.8%ずつ下落した。不動産支援策が相次ぐ中、同セクターは先週末まで連日で急伸。利益確定売りが先行した。
 一方、本土マーケットも3日続伸。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.38%高の3166.08ポイントで前場の取引を終了した。エネルギー株が高い。素材株、公益株、不動産株、金融株なども買われた。半面、医薬株は安い。自動車株、インフラ関連株の一角も売られた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)