21日前場の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比401.89ポイント(2.05%)安の19234.33ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が135.35ポイント(1.94%)安の6829.64ポイントと4日ぶりに反落した。売買代金は805億280万香港ドルに縮小している(20日の前場は923億1790万香港ドル)。
 利益確定売りが先行する流れ。ハンセン指数はこのところ急ピッチに上昇し、前日は昨年8月1日以来、約9カ月半ぶりの高値水準を切り上げていた。新規の買い材料にも乏しい。中国の重要経済指標は発表がほぼ一巡した。この先は、来週27日に4月の工業企業利益、31日に5月の製造業PMI(国家統計局などが集計)が予定されているだけとなる。また、中国当局は不動産支援策を相次ぎ打ち出すなど、景気支援スタンスを強めているが、いったん好材料が出尽くしたとの見方もあるようだ。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、新興EV(電気自動車)メーカーの理想汽車(2015/HK)が19.2%安、電動工具メーカー大手の創科実業(669/HK)が7.8%安、産金で中国最大手の紫金鉱業集団(2899/HK)が6.0%安と下げが目立った。理想汽車が前日公表した1〜3月期決算は、純利益が前年同期比36.3%減の5億9255万人民元に縮小。市場予想(8億7500万人民元)を大幅に下回ったことが不安視された。創科実業については、同社のジョセフ・ガリ・ジュニア最高経営責任者(CEO)が20日付で辞任したことも嫌気された。
 セクター別では、自動車が安い。上記した理想汽車のほか、小鵬汽車(9868/HK)が8.5%、蔚来集団(9866/HK)が5.5%、比亜迪(BYD:1211/HK)が4.2%、浙江零ホウ科技(9863/HK)が3.7%ずつ下落した。
 医薬セクターもさえない。緑葉製薬集団(2186/HK)が5.4%安、百済神州(6160/HK)が4.4%安、翰森製薬集団(3692/HK)と康希諾生物(6185/HK)がそろって4.1%安で前場取引を終えた。
 非鉄・レアアースの銘柄群も売られる。ニッケル・コバルトの生産で世界大手の金川集団国際資源(2362/HK)が7.6%安、モリブデン中国最大手の洛陽モリブデン集団(3993/HK)が6.3%安、希土類磁石メーカー大手の江西金力永磁科技(6680/HK)が3.6%安、希土類製品・耐火材大手の中国稀土HD(769/HK)が2.6%安で引けた。
 本土マーケットも4日ぶりに反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.41%安の3158.03ポイントで前場の取引を終了した。素材株が安い。消費関連株、ハイテク株、医薬株、エネルギー株、インフラ関連株、公益株ども売られた。半面、銀行株は高い。通信株、メディア・娯楽株、不動産株の一角も買われた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)