22日の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比25.02ポイント(0.13%)安の19195.60ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が3.29ポイント(0.05%)安の6817.68ポイントと小幅に続落した。売買代金は1266億4790万香港ドルに縮小している(21日は1505億8270万香港ドル)。
 欧米と中国の対立激化が警戒される流れ。外電は22日、業界団体からの情報として、「大排気量エンジンを搭載した自動車に対し、中国が輸入関税の引き上げを検討しているもよう」などと報じた。それより先、イエレン米財務長官は21日、欧米は中国の過剰な工業生産能力に連携して対応する必要があると述べている。また、人工知能(AI)ブームをリードする米半導体大手エヌビディアの決算報告を23日(日本時間)に控え、業績動向を見極めたいとするスタンスも様子見ムードを強めさせた。ただ、下値は限定的。中国経済対策の期待感が根強いほか、企業決算の動向をにらみながら、業績改善を見越した買いが入ったことも相場を支える一因となった。指数はプラス圏で推移する場面もみられている。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、香港リート(不動産投資信託)の領展房地産投資信託基金(823/HK)が4.4%安、オンラインゲーム大手の網易(ネットイース:9999/HK)が3.1%安、政府系の華潤ビールHD(291/HK)が2.7%安と下げが目立った。
 セクター別では、非鉄が安い。五鉱資源(1208/HK)が4.0%、新疆新キン鉱業(3833/HK)が3.7%、金川集団国際資源(2362/HK)が3.1%ずつ下落した。
 産金セクターもさえない。霊宝黄金(3330/HK)が4.2%安、中国黄金国際資源(2099/HK)が4.1%安、招金鉱業(1818/HK)が2.5%安で引けた。
 半面、エアラインや空港など旅行関連は高い。中国国際航空(753/HK)が4.6%、中国南方航空(1055/HK)が4.3%、中国東方航空(670/HK)が3.2%、海南美蘭国際空港(357/HK)が9.9%、北京首都国際機場(694/HK)が4.6%ずつ上昇した。
 他の個別株動向では、パソコン(PC)世界最大手の聯想集団(レノボ・グループ:992/HK)が12.2%高の11.42香港ドルと急伸。上場来高値を更新した。次世代PCに対する期待感が高まっている。レノボは21日、自社初のビジネス向け次世代AI(人工知能)PCを発表。モルガン・スタンレーは最新リポートで、レノボの投資判断を上方修正した。レノボはあす23日、通期決算を報告する。
 そのほか、新興電気自動車(EV)メーカーの小鵬汽車(9868/HK)が13.1%高。同社の四半期決算は純損失を計上したものの市場予想ほどでなく、赤字額は前年同期から縮小した。上述したレノボや新興EVなど「ニューエコノミー」銘柄が物色される中、ハンセン科技(テック)指数は0.3%逆行高している。
 一方、本土マーケットは小反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.02%高の3158.54ポイントで取引を終了した。不動産株が高い。銀行株、空運株、ハイテク株やインフラ関連株の一角なども買われた。半面、医薬株は安い。消費関連株、エネルギー株、素材株、公益株、海運株も売られた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)