中国の習近平国家主席が打ち出した「共同富裕」は格差縮小を目指す政策だが、これはある意味で「日本社会が理想に近い」そうだ。中国メディアの百家号は22日、「日本の共同富裕の道」と題して、日本が共同富裕を成功させた方法を論じる記事を掲載した。

 記事はまず、日本は「一億総中流社会」により、見事に「共同富裕」を成功させたと紹介した。バブル経済後は貧富の差が広がったとはいえ、それでもまだ国民の多くが中産階級だと指摘し、成功のカギは二次分配制度にあるとした。税・社会保障などによる再分配で貧富の格差を是正した日本では、低所得世帯への手当てが厚く、医療保険と年金制度も整っていて、日本には中国が目指すべき社会があると主張している。

 低所得者が恩恵を受ける一方で、日本は高所得者に厳しい。記事は、日本では収入が1億円を超える人の数は少なく、映画スターや著名芸能人の年収も海外に比べてずっと少ないとした。また企業の役員に対する給与についても取りすぎには厳しい目が向けられているとし、いかに日本が「公平さを求める社会」かを指摘している。確かに中国では年収が数十億円とも言われる芸能人は珍しくないが、その一方では都市部で日雇い労働に従事し、その日暮らしを強いられている農村出身の出稼ぎ労働者は多い。

 さらに記事は「年功序列」も日本の「共同富裕」が成功した一因だと主張した。今では年功序列制度は崩れてきているが、記事は年齢と肩書によって給料が横並びの日本社会は不満が出にくいと高く評価した。また被雇用者の給与には交通費や家族手当、住宅手当など「生活に必要な手当」が各種含まれる企業も多く、これは「文化改革開放前の中国の国有企業に似ている」とした。

 今の日本が昔の中国に、そして中国が目指す姿に似ているというのは複雑な心持ちだが、中国が目指している共同富裕では、寄付などの慈善活動を通した「三次分配」も注目されている。日本の二次分配の方法を参考にしつつも中国は独自の方法で共同富裕を実現させようとしているのかもしれない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)