お城に関連する書籍を幅広く紹介する「お城ライブラリー」。今回は『古地図から読み解く 城下町の不思議と謎』を紹介。古地図と現代の地図を見比べつつ、城下町の成り立ちに想いを馳せる本です。近代的な都市に生まれ変わっているかつての城下町にも、当時の構造を伝えている場所がたくさんあるのです。

古地図と現代の地図を見比べて検証してみよう
深く読む本ではない。「へぇ〜」と思いながら軽く読む本である(と思う)。読みはじめるときは構えないこと。全国29の城下町を、古地図と現代の地図を見比べて楽しむ本。好きなところから読めばいい。

監修の山本博文先生は「どの城でも共通しているのは、城を武士の町が取り囲み、街道沿いには町人の町があり、町のはずれには寺町がある」とはじめに述べている。まず、本をパラパラとめくって地図を確認してみる。確かに。どの城もその並びで城下が形成されている。

城下町の昔と今、地名の由来、なぜその場所に〇〇(堀など)があったのか。城それぞれに特色があり、理由があって興味深い。まだ行ったことがない城下町に想いを馳せて、空想を膨らませるのもよい。お城BOOKvol.1で紹介した作家の宮城谷昌光氏は「現地を見ない方が想像を膨らませることができる」といっている。

だが、それはあくまで創作活動においてのこと。現地を見てしまうことで想像力に制限がかかってしまうことを防ぐためである。想像力がない我々は、やはり現地を訪れてみたくなるし、訪れないでイメージを膨らませるのは難しい。これまでに訪れたことがある地、もしくは地元の城下町でも本書を手に訪れることで新しい発見があるだろう。

本書では江戸城、名古屋城、大坂城という3大都市の城下町、姫路城や松江城などの現存天守がある城下町、鹿児島城や小田原城などの城下町と章を分けているが、やはり3大都市の城にページが多く割かれている。江戸の城下町は語り尽くされているので、地方の城をもっと深く掘れば面白いのになぁと思ってしまうが、どうか。斜に構えてしまうのが悪い癖。パラパラめくっていると、大坂城の解説で「御堂筋は裏道だった」と書いてある。思わず「へぇ〜」となった。