──わからない部分は推測する。時代考証というのは、史実に則しているかどうかの確認だけではないのですね。

戦国時代の資料というのはジグソーパズルみたいなもので、ピースが欠けているように情報が部分的に残っていない場合があります。そんな時は、欠けたピースを想像しながら情報を補わざるをえません。推測する部分も、もちろん荒唐無稽なものにならないよう、当時の常識にのっとる必要があります。

──小和田先生は時代考証だけでなく歴史番組などにご出演もされていますが、これまで「歴史に詳しいなあ」「歴史が好きな方だな」と思われた共演者はいましたか?

岡田准一さんとはNHKの番組『ザ・プロファイラー』で共演したことがありますが、これまで歴史ものの映画やドラマに数多く出演し、また歴史の先生になりたかったぐらい歴史好きな方なので相当詳しかったですね。あと、乃木坂46の山崎怜奈さんとは、 ひかりTVチャンネル+の番組『歴史のじかん』にゲスト出演させていただきましたが、歴史に詳しいというだけでなく、歴史上の人物に対する愛情を感じました。

──では最後に、時代考証の魅力がどんなところにあるか教えていただけますか。

今とは異なる遠い時代の出来事や人々の暮らしが実際はどうだったかを、紋切り型のワンパターンではなく多様性を示しながら、立体的なビジュアルで現代に再現できることでしょう。皆さんにはぜひ、違和感なく当時の雰囲気をリアルに感じながらドラマや書籍を楽しんでいただけたらと思います。

お城情報WEBメディア「城びと」
2021年2月初出の記事を再編・再掲載