城を訪れた際によく目にする「大手」。東京をはじめとする都市によくある「大手町」という地名。実は、城に由来する言葉だって知っていましたか?

城の正面を守る「大手門」
城を訪ねた時、見学用の入口が「大手門」という名前になっていることが多いですよね。また、「大手町」という地名は全国にたくさんあります。さて、今回はこの「大手」なるものの意味に迫ってみましょう。

最初に答えを言ってしまうと、「大手」とは、城の表側。つまり正面のことです。ということは、「大手門」とは、城の顔となる正面玄関のこと。多くは人や物の流れの中心となる街道や、防御機能も兼ね備えた城下町に通じています。この大手門の前に位置することからついたのが、「大手町」という地名です。

大手門は、最も重要な門となるため、見る者に威圧感を与える外観で、厳重な防御設備が敷かれています。規模の大きな近世城郭ではほとんどが、堀→(おもに)土橋→櫓門→その奥に枡形→もう一つの門、という厳重な構造になっていることが多いと思います。さらに、周囲の城壁や門に狭間や石落しなどといった防御の工夫が施されています。

この「大手」は、もとは「追手」と書いていたようで、高知城(高知県)や郡山城(奈良県)など、現在でも「追手門」「追手町」という表記が残っている城や城下町もあります。

ではなぜ城の正面を「追手」と言ったのでしょうか。敵が正面側から攻めてくると、裏側の出入口から守兵を出し、敵を正面に追い込んで攻撃・退却させ、場合によっては追撃するという、城に攻めてくる敵を迎撃する時の戦い方のセオリーが語源になっているという説があります。