城の守りの要である虎口(出入口)の最終進化形である枡形ですが、いったいどのような仕掛けになっているのでしょうか? 一度入ったら逃れられない、枡形虎口の恐ろしい構造を解説します。

城郭防御の最重要拠点・虎口は「枡」で守る!
多種多様な虎口のなかでも「最強」とか「完成形」などといわれる「枡形虎口(ますがたこぐち)」についてのお話です。いったい「枡形虎口」とはどんな構造で、またそれがなぜ最強といわれるのでしょうか?

まず、「枡形」とは何でしょうか? これは、字のごとく「枡の形」。一般家庭では最近は少なくなりましたが、以前はお米などを計るのに使われていた四角い容器です。樽酒を鏡開きして、「カンパーイ!」とやる時にも使われますね。つまり、枡形とは「四角い形」。枡形虎口は「四角い形の出入口」ということになります。

城攻めの時に敵兵が殺到する虎口は、守りの最重要ポイントです。まともに敵の圧力を受け、簡単に門を突破されては困るのです。なるべくここで敵の勢いを削ぎ、食い止め、弱点である側面を突き、そしてできれば、確実に仕留めたい……。

仮に門を突破されても敵が城内へと直進できないようにするため、「一文字土居(いちもんじどい)」や「喰違虎口(くいちがいこぐち)」といった工夫がされてきましたが、最終的にたどり着いたのが、虎口に四角い空間を設ける「枡形虎口」でした。

枡形に敵を誘い込んで身動きが取れないように封じ込め、そこに三方から集中攻撃をかけて仕留める! のです。この恐怖のキルゾーンの構造、もっと詳しく見てみましょう。

恐怖の枡形虎口には、曲輪の外側に付け足したような「外枡形」と、曲輪内の一画を使用する「内枡形」があります。いずれにしても枡形の外と内の2か所に門を設けるのですが、一ノ門の前には土橋や木橋のアプローチ。そして一ノ門から左右どちらかに直角に曲がった先に、二ノ門を設けます。これが枡形虎口の基本的な構造です。