織田信長の妹・お市と結婚するものの、盟友の朝倉義景と共に信長と対決する道を選んだ戦国武将・浅井長政。長政が居城とした小谷城(滋賀県長浜市)は、戦国時代を代表する山城として知られ、山上には石垣や大堀切など数々の遺構が残ります。また、浅井・朝倉軍と織田・徳川軍が激突した「姉川の戦い」の舞台としても有名です。姉川や琵琶湖、近江の城々など、群雄の足跡を感じられる眺望が広がり、秋には紅葉の名所として山城ハイキングにおすすめです。

浅井長政とお市、三姉妹が過ごした小谷城

小谷城(滋賀県長浜市)は、標高495mの急峻な小谷山に深く切り込んだ清水谷と、その両側の尾根および山頂の大嶽(おおずく)の地形を巧みに利用して築かれました。北近江の大名、浅井(あざい)氏三代の居城でしたが、天正元年(1573)、織田信長の妹・お市の婿であった浅井長政が、信長によって攻め落とされました。

小谷城の落城後、長政とお市の子である三姉妹、茶々(後の淀君)と江、初の三人は生き延び、茶々は豊臣秀吉、江は京極高次、初は徳川秀忠の妻として、後の歴史に名を刻みました。

小谷城の主要な登城口は南側に位置し、「小谷城戦国歴史資料館」または「小谷城跡ガイド館 浅井三代の里」付近にあります。小谷城戦国歴史資料館から登る方が急峻ですが、いずれのルートをとっても、小谷城主要部の先端にある番所跡近くで合流します。