日本には、函館五稜郭のほかにもう一つ五稜郭があるのをご存知でしょうか? 長野県佐久市にある龍岡城五稜郭(別名:龍岡城、田野口陣屋)は、大政奉還をおこなった慶応3年(1867)に完成した西洋式の城。日本赤十字社のもととなる博愛社を設立した旧龍岡藩主・松平乗謨(のりかた)が築きました。日本にいながらヨーロッパ流の築城技術が楽しめるなんて、なんだかお得! 日本人が築いた稜堡式(りょうほしき)の城とは、どのような城なのでしょうか。

星形の城って一体なに?
「稜堡式」とは15〜17世紀にヨーロッパで発展した城。龍岡城のような星形の稜堡は、17世紀にフランスのヴォーバン元帥によって考案された城をモデルにしているといわれています。なお、星形=稜堡式というわけではなく、突出部(稜堡)が4ヶ所や5ヶ所、6ヶ所…それ以上と形はさまざまです。

稜堡式は小銃ではなく大砲戦を意識した城で、突端部に砲台を設けることにより十字砲火を可能にする構造となっています。城内は天守や櫓のような標的となる高い建物をなくし、また万が一大砲が当たっても衝撃を吸収できるよう、石垣の中や上に厚みのある土の層を設けているのが特徴です。