お城に関する素朴な疑問を、初心者向けにわかりやすく解説する城びとの人気連載「超入門! お城セミナー」。今回は、籠城戦と非戦闘員についてご紹介します。田畑や城下町を荒らすことが城攻め時のお約束のようなものだった戦国時代、城下の庶民は、略奪や虐殺の被害者になるイメージがあります。また城の中にいる女性たちも、部屋に籠って震えているような姿が想像されるのではないでしょうか。しかし、彼ら非戦闘員は私たちが思っているよりもたくましくしたたかに乱世を生きていました。籠城戦で庶民や城内の女性がどのような行動を取っていたのかを解説します!

避難所の役割もあった城
旗指物(はたさしもの)や陣幕が鮮やかに描かれた合戦図屏風。こうした合戦を描く絵画作品の中には、甲冑を身にまとって槍や刀を手にし、騎馬で、あるいは自分の足で戦場を駆ける武士たちが描かれています。なんといっても合戦は、武士にとっていちばんの働きどころ。殿のため、一族郎党のため、いざ手柄を上げん!! と、張り切って参戦したことでしょう。

一方、城下の庶民や城内の女性たちにとってはどうだったのでしょう。基本的に彼らは直接戦場を駆け回ることはない「非戦闘員」。とはいえ敵が襲来した時には、田畑の農作物は刈られ、城下町は焼き討ち・略奪され、時に民も傷害・虐殺・連れ去りといった被害に遭ったり。城内の女たちも、敵におびえて泣き、祈り、果てはうち揃って自害……という悲劇のイメージが強いのではないでしょうか。力で敵をねじ伏せるのが戦ですから、確かにこういうことはあったでしょう。でも、どうやら実際は、少しばかりこのイメージとは違ったようなのです。