「若い頃は何を食べても飲んでも太らなかったのに」「ダイエットしても効果が出ない」その原因は肝臓についた脂肪にあり? 40年以上内臓脂肪を研究してきた名医が教える痩せない原因“脂肪肝”について『1週間で勝手に痩せていく体になるすごい方法』(日本文芸社)から一部を抜粋・再構成してお届けする。

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あなたもすでになっているかも!
日本人の3人に1人が脂肪肝!?


「脂肪肝」という言葉を耳にしたことはありますか? これは、肝臓に脂肪がたまって、フォアグラのようになってしまった状態を指します。

健康診断や人間ドックなどで何となく言葉は知っていても、実際に危機感を抱いている人は少ないのではないでしょうか。でも、実際のところは日本人の約3人に1人、推定で約4000万の人が脂肪肝だといわれています。この脂肪肝こそが、やせられない原因になっているかもしれません。

脂肪肝はお酒の飲み過ぎ、いわゆるお酒好きの人がなる病気として知られていますが、実はお酒を全く飲まなくても脂肪肝にはなります。脂肪肝には2種類あり、「糖質のとり過ぎ」によっても脂肪肝になってしまうのです。なかでも日本人は、圧倒的にこのタイプが多いとされています。

ところが、多くの人は無自覚に糖質をとり過ぎ、脂肪肝の状態で生活を送っています。この状態だと肝臓の機能がうまく働かず、ダイエットにとり組んでも脂肪を燃やす効果を十分に得られません。


3つ以上当てはまると、脂肪肝の可能性大! まずはセルフチェックしてみよう


なかなかやせられない……と感じたら、まずは脂肪肝の疑いがあるかを上記のチェックリストで確認してみましょう。3つ以上あてはまれば脂肪肝の可能性があります。脂肪肝とは、性別や年齢に関係なく、意外となりやすいものなのです。


やせられない理由はここにあった
脂肪肝って何?


脂肪肝とは、ひとことでいうと肝臓に脂肪がたまり過ぎた状態。糖質過多の食事やアルコールの過剰摂取などで簡単に招いてしまう、いわば肝臓の現代病といっても過言ではありません。

肝臓につく脂肪は「中性脂肪」といい、主な働きは体を動かすときに使われるエネルギー源です。通常は肝臓に蓄えられており、体のエネルギー源であるブドウ糖が不足した際に、それを補うために用いられます。正常な肝臓には3〜5%の中性脂肪がありますが、不摂生な生活が続くと、中性脂肪はみるみる増加。その結果、肝臓に中性脂肪が必要以上にたまり、20%を超えると脂肪肝と呼ばれる状態に突入するのです。



脂肪肝になると、肝臓の細胞の6割以上を占める「肝細胞」が炎症を起こして壊れてしまいます。すると、肝細胞内の中性脂肪が血液中にあふれ出し、体のあちこちに移動。この状態が続くと、お腹や脚、腕などに脂肪として蓄積され、肥満へと繋がってしまうのです。もっとひどい場合には、血液がドロドロになって動脈硬化を引き起こすなど、病気のリスクも高まります。

このように、肝臓に脂肪がたまると肥満の進行に加え、健康への被害ももたらします。やせるだけでなく、健やかな体をつくるためにも、余分な中性脂肪を減らして脂肪肝を改善しましょう。


原因はアルコールだけじゃない!?
お酒を飲まなくても脂肪肝になる!


酒の飲み過ぎだけが脂肪肝の原因ではありません。先に述べたように、脂肪肝にはアルコールの飲み過ぎでなる場合と、お酒を飲まなくても糖質のとり過ぎでなる場合の2通りがあります。

糖質のとり過ぎでなる脂肪肝を「非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)」といい、日本人に多いのがこのタイプ。肝臓は糖質を必要な栄養素に変換する機能がありますが、糖質をとり過ぎると余分な糖が中性脂肪として蓄積され脂肪肝となります。



また、非アルコール性脂肪性肝疾患には、症状が軽くて改善しやすい「単純性脂肪肝(NAFL)」と、重症化しやすい「非アルコール性脂肪肝炎(NASH)」の2つがあります。非アルコール性脂肪肝炎は放置すると肝硬変、肝臓がんに進行する深刻なもので、糖質のとり過ぎでなる脂肪肝の1〜2割がこれに相当するといわれています。

もちろん、アルコールの飲み過ぎからなる脂肪肝もあります。個人差はありますが、目安として、毎日3合以上の日本酒を5年以上飲んでいる人は、アルコール性脂肪肝を発症する可能性が高まるといわれています。長期的な大量の飲酒は、肝臓の働きに異常を生じさせ、中性脂肪をため込んでしまうのです。このアルコール性脂肪肝も、比較的治りやすい軽症タイプと、「アルコール性脂肪肝炎(ASH)」という重症タイプがあり、後者は放置すると命に関わる危険性があります。


数値でチェックしよう!
「肝機能検査」で脂肪肝かわかる!


肝臓におけるたんぱく質の代謝に関わる3つの酵素の数値を調べることで、脂肪肝の疑いがあるかどうかが簡単にわかります。

ALT(GPT)
【一般的な基準値】 10〜30U / L
【理想値】 5〜16U / L
アミノ酸をつくるときに使われる酵素で、糖質をとり過ぎると最初にこの数値が上がります。肝細胞が破壊されると血中に放出されるため、数値が高いと脂肪肝が進行している可能性があります。

AST(GOT)
【一般的な基準値】 10〜30U / L
【理想値】 5〜16U / L
アミノ酸をつくるときに使われる酵素で、肝臓や筋肉に多く含まれています。肝臓だけでなく、筋肉が破壊されたときにも数値が上がるため、ALT の数値との比較で脂肪肝かどうかを見ます。


※ALT(GPT)、AST(GOT)の両方が16U/Lを超えたら脂肪肝!


γ-GTP
【基準値】 男性:10〜50U / L 女性:10〜30U / L
肝臓や胆道に異常があると数値が上昇します。アルコール性肝障害の目安とされていますが、糖質のとり過ぎやストレスによっても比較的容易に数値は上がります。

数値の比較でわかること


#2『“勝手にやせてくれる体”の作り方は「歯を磨いて、お茶とチョコを食べるだけ」!?』 はこちらから


『1週間で勝手に痩せていく体になるすごい方法』(日本文芸社)

栗原毅(著)

2022/12/23

¥990

単行本(ソフトカバー) ‏ : ‎ 128ページ

ISBN: 978-4537220599

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