立憲民主党の蓮舫参院議員が5月27日、東京都知事選(6月20日告示、7月7日投開票)に出馬することを表明した。過去2回の都知事選でも待望論がありながら固辞してきた蓮舫氏が政治生命をかけた勝負に出た背景には、ここ数年の自身のくすぶりもあるようで・・・・・・。

負けても数カ月後には再び国会に?

「自民党の延命に手を貸す小池都政をリセットしてほしい。その先頭に立つのが私の使命」

5月27日、立憲民主党本部で記者会見した蓮舫氏は、無所属で都知事選に立候補する意向を表明した。

「おなじみの真っ白なスーツに、行きつけの高級サロンで月2回整えてもらうベリーショートの『蓮舫カット』で、久々にスポットライトを浴びました。東京都知事選への立候補表明の場でしたが、小池百合子知事だけでなく、裏金問題を抱える自民党についても時間を割いて批判していました」(全国紙政治部記者)

幅広い支持を集めたいとして無所属での出馬を強調した蓮舫氏だが、立憲は全面的にバックアップし、都知事選の勝利をその後にあるとみられる衆院選につなげたい考えだ。

「立憲は当初から、小池氏に勝つために『知名度がある』『女性』を軸に候補者を考えていました。蓮舫氏は前回の都知事選の際には、小池氏の再選の可能性が高いとみて早々に『私は出ない』と周囲に宣言。

今回も当初は出馬に難色を示していましたが、東京15区補選で小池氏が支援していた乙武洋匡氏が5位に終わるなど小池人気に陰りが見えてきたこと、裏金問題で自民党に逆風が吹き、立憲が各地の補選で勝利していることなどを総合的に判断して、出馬を決断した形です」(立憲関係者)

「プライドが高く、負ける戦いはしたくないはず」(前同)とみられてきた蓮舫氏だが、今回は負けても救済される「保険」もあるようだ。

「もともと蓮舫氏に関しては、衆院選で都内の選挙区に鞍替えする話が出ていました。岸田首相が都知事選までに解散できる状況ではないと判断し、都知事選で負けても2025年秋までには行われる衆院選に出馬し、国会に舞い戻るという算段です」(前同)

泉執行部に「ふざけるな」…「なんでも批判は見苦しい」の進言にも本人は…

一方、蓮舫氏の出馬の背景には、ここ数年、立憲内で自身がくすぶってきたという境遇もあるようだ。

2016年の参院選東京選挙区では約112万票を獲得し1位で当選したものの、2022年には同じ選挙区で約67万票にとどまり4位。2022年は、蓮舫氏の当選が盤石であることから、立憲内で蓮舫氏の票を別の立憲候補に振り分けたなどの事情はあったものの、人気には陰りがみられていた。

票数の落ち込みには本人もショックを受け、参院選で党の議席を減らした泉健太代表が野党の候補者調整の必要性を語った際には、「この夏の参院選でなぜ果たさなかったの」と泉氏の責任を厳しく指摘していた。

「蓮舫氏は枝野幸男前代表からは『蓮ちゃん』と呼ばれるなど、枝野氏との関係は良好で、かつては代表代行も務めていました。枝野氏が衆院選で党の議席を減らした責任をとって辞意を表明した際には、涙目になっていたほどです。

しかし、泉氏とは距離があり、現在は無役。そんな中で泉氏批判を繰り広げるので、余計に煙たがられるばかり。蓮舫氏は党内でくすぶっていました」(全国紙政治部記者)

そんな蓮舫氏は、出馬表明の数日前には都議選目黒区選挙区補選で立憲候補の応援にかけつけてマイクを握り、政治資金パーティーの開催をめぐって批判を浴びていた党執行部の岡田克也幹事長、大串博志選対委員長の名前を挙げて「ふざけるな。相当厳しく2人には苦言を呈しました。ようやくパーティーやめたそうです。えらい迷惑です」と公然と批判した。

「蓮舫氏は民進党時代には代表も務めたベテランですよ。なので『自分が気に食わないからといって、党内外に見える形ですぐになんでも厳しい言葉で批判するのは見苦しい』『もっと政策論争で勝負した方がいい』と本人に進言したこともあるのですが、まったくやめませんでした」(蓮舫氏周辺)

後輩女性議員の仕事も自分の「手柄」に 

党執行部にも見せる強気の姿勢は、後輩議員に対しても同じだ。

「若手の女性議員がいち早く取り組み始めた『生理の貧困』についての政策を蓮舫氏が国会で取り上げ、首相から前向きな答弁を引き出したときには、『後輩議員がずっと取り組んできたのは知っているけど、首相の答弁を引き出して、マスコミに大きく取り上げられたのは私だから』と言い放ち、周囲には自らの手柄としてアピールしていました」(立憲関係者)

ただ、そんな性格も影響してか、野党内では蓮舫氏を支援する動きに限界も。

蓮舫氏は会見で「広範な支援をいただきたい。オール東京のみなさんに支援をいただければ」と語り、立憲のほか共産党も支援に回る方針だ。

しかし、蓮舫氏が所属する参院では「目立ちたがり屋でパフォーマンスばかりの蓮舫氏らが、少数政党に配慮してくれない」と、蓮舫氏や立憲に不満をもつ国民民主党議員は多く、「立憲の兄弟政党」とされる同党でも蓮舫氏を支援する可能性は低そうだ。

「とくに参院議員の国民・榛葉賀津也幹事長は、蓮舫氏とは犬猿の仲。榛葉氏の参院選のときに立憲に対抗馬を立てられたこともあり、恨みは深い。国民民主党は小池氏と近いこともあり、蓮舫氏の支援には回らないとみられます」(全国紙政治部記者)

「2位じゃダメ」な戦いの行方はいかに…

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班