6月7日に結婚を発表したHey! Say! JUMPの有岡大貴と、俳優の松岡茉優。人気アイドルの有岡が結婚したことでSNSでは悲鳴が飛び交っているが、有名人の結婚がなぜそんなに悲しいのだろうか。ファンに話を聞いてみた。
 

「通知来た瞬間泣いた」人気アイドルの結婚

旧ジャニーズアイドルの結婚はやはり、有名人の結婚の中でもひときわ大きな反響をもたらす。特に有岡はまだ33歳と、ジャニーズ系統の結婚としてはかなり若く、ファンもまさかこのタイミングで結婚するとは思っておらず、不意を突かれてしまったようだ。

結婚を発表すると、SNS上では〈大ちゃん結婚…通知来た瞬間泣いてもうた〉〈普通に無理かも、、、、JUMPって結婚するんですか、、、、、〉〈有岡が結婚したからって仕事早退して私みたいに公園で泣きじゃくってる子、今何人くらいいるんだろ〉など悲鳴が飛び交い、界隈にパニックをもたらしていた。

一方で、福山雅治や羽生結弦をはじめとした有名人の結婚にショックを受けている人々が話題になるたび、別の場所から〈自分が芸能人と結婚できると思ってたのかよ〉〈ショックを受ける理由がわからん〉〈どうせ付き合えないんだから、結婚してようがしてまいが関係なくね?〉といった冷ややかな声もあがる。今回のケースもこの例にもれず、結婚を機に有岡のファンを辞めたと公言した人には、ネット上で批判の声が向かい、〈推しの幸せを祝福できないなんてファンじゃない!〉などとの意見が飛び交った。

しかし、結婚にショックを受けているファンに話を聞くと、彼女たちも決して、自分が“推し”と付き合えたりできると思っているわけではないことがわかった。悲しい気持ちになったり、ファンを辞めたりしたくなるのは、もっと別の理由からなのだ。

Xで悲しみの声をあげていた有岡のファン歴12年の24歳の女性・Aさんが、そんな複雑な心境を明かしてくれた。

「有岡くんのことを現実の存在として好きだったのではなく…」

「明るくて人懐こい笑顔がかわいくて、常にファンのことを考えて行動してくれる有岡くんが好きでした。私は歯科医師を目指して現在大学で勉強しているのですが、実習で上手くできなくて落ち込んだときや勉強が大変で心が折れそうになったときなど有岡くんやJUMPの存在が心の支えになっています。

ですが、それは恋愛感情とはまた別のもので、あくまでファンとして好きなのであって、付き合えるとか結婚できるとか期待していたわけではありません。彼も1人の人間なので、公にしてないだけで相手がいたとしてもおかしくないと思っていたし、いつか結婚するだろうとはずっと思っていました」(Aさん、以下同)

しかしそれでも、今回の結婚にはショックを隠せなかったという。

「今まで、熱愛報道が出ても平気だったので、彼に結婚報道が出ても『私はきっと大丈夫!』『落ち込まないし心から祝福できる!』と思っていました。けれど今回、有岡くんと松岡さんの結婚報道をファンクラブからのメールで知ったときは頭が真っ白になって、正直何が起こったのかわからなかったし、すぐに理解できませんでした。テレビやネットニュースでの報道をくり返し目にしたことで、ようやく状況を理解することができたという感じです」

頭でわかっていても心がついていかず、担降り(ファンをやめること)まで考えているというAさん。少なくとも、「今までのようには推せない」と語る。なぜ、近づけるとは微塵も思っていなかった相手の結婚が、そこまで悲しいのだろうか。

「たぶん私は、有岡くんのことを現実の存在として好きだったのではなく、仮の存在、憧れの存在としてみていたのだと思います。そんな彼が、結婚という極めて現実的なことをしたために、自分も夢から覚めて、一気に現実に引き戻されたというか……。彼も同じ世界線の人だったんだなと、実感してしまったんです」

アイドルが現実を見せたらアウト?

アイドルの結婚には、2次元のキャラクターが急に3次元になってしまったような、そんな生々しさがあるのかもしれない。

確かに今回の結婚には、〈アイドルは夢を売る商売なんだから現実見せたらその時点でアウト〉〈アイドルの結婚報道の何がしんどいって、推しの「現実」「生」を突きつけられるからしんどい。推しにも現実があって、一人の人間としての人生を歩んでることは頭では理解しながら、ふだんは無視して夢を見てた〉〈ファンタジーの世界を見せてくれていたアイドルが、結婚という現実のものを持ち込み、ファンタジーの世界のベールをはがしかけている〉と嘆く声が確認できる。

まさにアイドル(idol)は英語の意味のまま、ファンにとって「偶像、聖像」のような存在だったのだろう。では“結婚”と“熱愛”にはどんな違いがあるのだろうか。Aさんは、熱愛は平気だったというが……。

「これは私の考えなのですが、熱愛は一時的な付き合いで、『いつか別れるだろう』っていう希望があるんですよね(笑)。ですが結婚は、一生を共にするという意味で約束を交わすことだと思っています。だから結婚だとダメージが大きいんです。もし今後、離婚したら、また好きになるかというと、正直わからないです。でも覚悟を決めて結婚したのなら離婚しないで、一生幸せを貫き通してほしいですね。ファンのためにも……。そして私自身、今は彼らの結婚を喜ぶことはできないけど、いつか心から祝福出来るようになれたらいいなと思っています」

アイドルの結婚は悲しいことだが、同時にファンを強くすることでもあるのだろうか。いつか誰かと結婚してしまう……そんな儚さもまた、アイドルの魅力なのかもしれない。

取材・文/集英社オンライン編集部