バンダイナムコグループが15日、「第1回ガンダムカンファレンス」を開催。『ガンダム』に関するさまざまなプロジェクト発表のほか、トークショーでは、筑波大学准教授でメディアアーティストの落合陽一がガンダム愛を語った。

株式会社バンダイナムコエンターテインメント常務取締役でCGO(チーフ・ガンダムオフィサー)の藤原孝史によると、まずガンダム事業として「グループ横断による『ガンダム戦略強化』」と「ガンダム×サステナブル」を進めることを発表。

「ガンダム戦略強化」では、実写映画版『機動戦士ガンダム』や世界規模展開、e−Sportの推進などにより、2020年に950億円だったガンダム関連の売上を25年に1500億円以上に成長させる。

そして、「ガンダム×サステナブル」では、今年3月より始まった「ガンプラリサイクルプロジェクト」や、ガンダムと新技術による社会問題への解決案を募集する「ガンダムオープンイノベーション」を発表。ガンダムを一企業のIP(知的財産)から、SP(社会的財産)として社会貢献を果たす意気込みが語られた。


イベントの後半では、岸博幸元経産官僚をMCに、落合、藤原CGO、慶應義塾大学大学院教授の蟹江憲史の3人で、ガンダムとSDGsをテーマにトークショーを開催。

「詳しい人に怒られそう。ちょっと分かるぐらいです」と謙遜しつももガンダム好きを公言する落合は、一番好きな『逆襲のシャア』について、「シャアが地球環境を取り戻すために、人を住めなくしようと隕石を落とす内容」と解説。現在公開中の『閃光のハサウェイ』ももちろん鑑賞済みで、「今回の『閃光のハサウェイ』も地球環境のきっかけになっている」のとSDGsとの関連性を説明した。


ただ「『インテリはすぐ世捨て人になる』っていういいセリフがある。シャアとかハサウェイの出す結論はずいぶん攻撃的ですけどね」と語る落合にとって、ガンダムの社会貢献に関しては「すごい違和感があった」そう。

しかし、「そこが絶妙で。本当はガンダムは兵器。劇中でものすごくたくさんの人が犠牲になってるし、地球にダメージを与えるし、非常に物騒。さきほど社長とお話をさせていただき、『ガンダムに武器を持たせないことをポリシーとしている』と聞いて、なるほどと腑に落ちた」と納得。

また工学部で教鞭をとる落合は、「ガンダムオープンイノベーション」について、「こうした新しいことにノってくる人たちは、ガンダムに憧れてロボットを作ってたり、人工知能の研究している人も多い。コロニー作ろうと思ってくれる人がいたらいいなと勝手に思ってる」と期待した。


さらに横浜の山下ふ頭に立つ "動く18mの実物大ガンダム" に対して、「すげぇ大仏っぽいな、と思ったんですよ。大仏って昔、疫病が流行った時に公共事業で建てたもので、同じようなコンテクストを感じる。コロナ禍での大仏感がある」との見方を示した。

そして今回の発表で新たな「ガンダム実物大立像プロジェクト」も明らかになったが、「今は腰で抑えているけど、二足歩行のやつ、本気でやれば作れる人はいるんじゃないですか? よくそういう話になる。お金は無限にかかると思いますけどね。バンダイ(の経営)は傾くかもしれない(笑)」と話した。

取材・文/鯨井隆正