ゆでたまご両先生に、JC75巻から選んでもらった思い入れの深い漫画原稿
ゆでたまご両先生に、JC75巻から選んでもらった思い入れの深い漫画原稿

『週刊プレイボーイ』および『週プレNEWS』で連載中(毎週月曜発売・更新)のマンガ『キン肉マン』(ゆでたまご作)のジャンプコミックス(以下、JC)各巻の中から、ゆでたまご先生ご自身がお気に入りの原画を選んでご紹介いただくシリーズ企画"ゆで原画"第24回。

天から降臨してきた神の軍団"超神"たちと、再集結したフェニックス・チーム&ビッグボディの対抗戦。サタンクロスが愛弟子アシュラマンの前で大敗を喫するも、マンモスマンが一矢を報い、いよいよフェニックス&ビッグボディの大将コンビ"ゴッドセレクテッド"が本格的に動きだす!

そんな神を相手に決死の闘いが続く超人たちの奮戦から目が離せない『キン肉マン』最新JC76巻が、10月4日(月)発売に!

そんな最新刊を読む前におさらいを兼ねて......その前巻JC75巻から作者・ゆでたまごの両先生に思い入れの深い漫画原稿1枚を、それぞれ理由も添えて選んでもらった。

まずは原作シナリオ担当・嶋田隆司先生に選んでいただいたのがこの1枚(JC75巻/132ページより)。

こちらは原画データのため、鎧のない連載バージョン。お手持ちの75巻と比べてみてください
こちらは原画データのため、鎧のない連載バージョン。お手持ちの75巻と比べてみてください

超神コーカサスマンとの角vs牙対決をなんとか制したマンモスマンだったが、試合後に危険なリングで逃げ場を失い、己の命運が尽きたことをも悟る。だが最期の瞬間を迎える前に、彼は残りの力を振り絞り、体内に残る超人パワーを全て取り出しある男に託すべく、それを球にして遠方へと放り投げた。地球を約半周して、その命の球がたどり着いた先は......とある国に広がる砂丘の真ん中。その砂丘の底から蘇(よみがえ)ったのは、鎧(よろい)のようなものをまとったナゾの超人のシルエットだった!?

――嶋田隆司先生(ゆでたまご・原作担当)コメント

「このシーン、コミックスになる時にわざわざ描き直したんですよ。最初にこの第342話を連載として公開した時は、もうちょっと誰だかわからないシルエットだったんです。でも、もちろんこれはロビンマスクだし、読者にもそう勘づいてもらって構わないと思いながら作ったシーンなんですけど、そういえばロビンマスクって鳥取砂丘に埋められた時は、鎧はつけてなかったなって思い出しまして。ゆでたまごにしては珍しく設定ちゃんと守ろうと鎧なしで描いたら、イマイチ誰だかわかりづらい感じになってしまったんですよね。

そのことが少し心残りだったんですよ。ロビンマスクが読者から再登場をすごく期待されてたのはわかってましたし、どうせやるならもっとわかりやすい方がよかったなあと。それでコミックスにするときに、あえて埋まった時の姿とは異なる鎧をつけた状態のシルエットに描きなおしたのがこのシーンです。

ロビンマスクが死んでる間、イベントでファンに会うたびに『生き返らないんですか?』って聞かれ続けてあえてしらばっくれてたんですけど(笑)、これでようやく『もう死にました!』って言わなくてよくなるかと思うと、それも少しホッとしますね(笑)」

そして作画担当・中井義則先生に選んでいただいたページはこの1枚(JC75巻/186ページより)。

中井先生が選んだ、ビッグボディの成長著しい1枚
中井先生が選んだ、ビッグボディの成長著しい1枚

フェニックスとタッグを組んではみたものの、チームリーダーは自分だと言わんばかりに何から何まで指示出しの嵐を送ってくるその態度に業を煮やしたビッグボディ。挙句の果てに、その指示を命令とまで言い放つフェニックスに我慢の限度を超えたビッグボディは、フェニックスにまさかのエルボースマッシュをぶちかまし「オレはお前の部下ではない!」と一喝。フェニックスの目を覚ますべく、あえての"命令"無視を宣言する!

――中井義則先生(ゆでたまご・作画担当)コメント

「これまでビッグボディという超人をたくさん描いてきて、自分としても一番しっくり納得の行く形で描けたページということで、今回はここを選ばせてもらいました。

というのは、この原稿を最初に描くにあたって、ビッグボディが自ら『オレはこういう時には、こういう表情やポーズを取るんだ!』って、僕に向かって主張してきたような気がしたんです。それは、彼が前シリーズの"オメガ・ケンタウリの六鎗客(ろくそうかく)編"で再登場してから様々な行動を取ってきた中で、普段からどういう性格をしたどんなヤツなのか、いよいよキャラクターが固まってきたということになるんだ思います。

そんな風にしっかりキャラクターが育つと彼に限らず、超人の側から僕に語りかけてくることが時々あります。そういう時は面白いもので、まだ手をつけてない真っ白の原稿用紙を眺めてるだけで、ぼんやり描くべき姿が浮かびあがってくる。そして僕はそれをペンでなぞって形にしていくだけで、自分でも非常に納得のいく絵に仕上がることが多いです。ここはまさにそういうことができたページでして、あのビッグボディがついにそういう部類に入ってきたかと思うと、それは僕としても非常に嬉しいし感慨深いところでした」

フェニックス&ビッグボディチームはこの先、お互いの信頼と連携を取り戻すことができるのか!? そして彼らと超神タッグの対決の後に続く、驚愕の新展開"バベルの塔"とは果たして...!?

取材・文/山下貴弘 ©ゆでたまご/集英社