芸人コンビ「マシンガンズ」として活動するかたわら、日々「ゴミ清掃員」としても働く滝沢秀一が、ゴミの捨て方を指南する連載「ベンキマンの捨て方」。ただし、ここで扱うゴミたちは、架空のものばかり。あの漫画で出てきたあの道具や、映画で見たあんな機械など......。実在しない架空のゴミを、現実世界ではどう捨てればいいのか? 前代未聞の"ファンタジーゴミ連載"!

【捨てるもの第22回】特別編「ゴミが捨てられなくなる日」
今回も滝沢さんに質問をぶつける特別編。「この連載で『最終処分場』という言葉を初めて聞きました。あと数十年でゴミが捨てられなくなるという話でしたが、もっと詳しく教えてください」

「最終処分場」っていうのは、ゴミを燃やした後に残る灰や、燃やせないもの、リサイクルできないものなんかを埋める「ゴミの終点」のような場所です。見た目は原っぱみたいな感じですが、足元には石ころみたいなものが転がっていて、それは灰を固めたもの。それと土をミルフィーユみたいに段々に積み重ねてあります。

つまり、ここがいっぱいになってしまうと、ゴミを捨てる場所がなくなってしまう、というわけです。

東京23区の最終処分場は、東京湾の「夢の島」の隣にある「中央防波堤最終処分場」というところです。

東京湾の上にあるのだから、もっと広げりゃいいじゃないかと思うかもしれませんが、あまり広げると千葉県の海にはみ出てしまうので限度があります。反対に陸地側に広げようとすると、今度は船の行き来ができなくなっちゃう。

それでも、東京や大阪の最終処分場は海上にあるため、他県よりは長く持つと言われています。

海と言えば、日本海側のごみも深刻だと聞きました。海外から流れ着く「漂着ゴミ」です。これらは潮に浸かっているから燃やせないんです、燃やすと塩分のせいで焼却炉が駄目になっちゃう。

なので、1年くらいかけて雨ざらしにすることで「塩抜き」してから焼却しますが、「塩抜き」のために置いておく場所がない場合は、そのまま最終処分場に埋めることになります。

しかし、潮に浸かった木材などは土に埋めてもバクテリアが入っていけない、つまり分解されずにそのまま延々と残るんです。漂着ゴミが多ければ多いほど、最終処分場の寿命は短くなってしまいます。

あとは「災害ゴミ」なども最終処分場を圧迫するそうです。

ちなみに、東京23区の最終処分場の寿命はあと約50年、その他の地域も含めた日本全体の平均では約22.4年とされています。。

これはあくまでも平均値なので、自治体ごとに事情は異なります。あるところでは、寿命はあと7年、という地域もありました。

じゃあ新しく最終処分場を作ればいいじゃないか、そう思うかもしれませんが、簡単ではありません。土地の確保が難しかったり住民の反対があったりと、うまくいかないパターンも多いのです。

もし最終処分場がいっぱいになってしまったら、他の自治体にお願いして、お金を払ってゴミや灰を引き取ってもらうしかありません。そうなると、運搬費も人件費もかかります。さらに、その自治体の最終処分場もいっぱいになれば、われわれはゴミを捨てることができなくなるのです。

22.4年というのは、そんなことが起きてしまうまでのタイムリミットです。

ゴミの最終処分場の問題は、「次の世代のために」というレベルではありません、たった22.4年後の問題です。

じゃあわれわれはどうすればいいのか? 来週は、そんな話をしたいと思います。

滝沢秀一(たきざわ・しゅういち)
1976年9月14日生まれ、東京都出身。
お笑いコンビ「マシンガンズ」として活動するかたわら、ゴミ清掃員としての仕事もこなす。
著作はゴミ清掃員の体験を書いたエッセイ『このゴミは収集できません』ほか多数

※ごみの捨て方のルールは自治体によって異なります。お住まいの地域のルールをご確認ください。

イラスト/北村ヂン