脳科学者の澤口俊之氏の著書『仕事が劇的に上がる「脳の習慣」』(澤口俊之著、ぱる出版刊)によると、仕事を含む人生において最重要な能力が知能であり、知能は本来「適応力」であるという。また、知能は好奇心と深く関係している。好奇心が強いほど、学力や認知機能が高いことがわかっている。好奇心が大きな駆動力となりつつ、高知能化を促す。そして、高度な知能は脳の前頭前野が主に担っている。

■「緑」と「有酸素運動」でパフォーマンスを向上させよ

では、脳のパフォーマンスを上げ、仕事力を上げるにはどうしたらいいのか。
本書では、脳科学の第一人者である澤口俊之氏が、仕事力を劇的に上げるために知能・前頭前野を向上、発達させるさまざまな方法や習慣を解説する。

現代の狩猟採集民族、特に現生人類の発祥の地であるアフリカの民族は、よく歩き、必要に応じてよく走る。狩猟採集では高度な脳を使うので、歩行・走行という有酸素運動によって、脳の発達が促され、知能が向上することは予測できる。ということは、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動を日常的にすることで、知能や認知機能が向上し、脳の構造も発達する。さらに、有酸素運動で前頭前野が若返ることも研究で実証されている。若年・中年層では毎日20〜30分のジョギングやランニングが効果的だという。

もっと手軽に知能・認知機能を向上させることができる方法もある。それが「緑」に触れること。緑のある公園内を短時間歩くだけで不安感や焦燥感が軽減しつつ、前頭前野の認知機能が向上する。あえて歩かなくても、庭などの身近な緑環境で過ごすだけで、記憶力を一時的に20%向上させることもできるという。

仕事場に観葉植物を置き、緑環境にして数週間〜数ヶ月過ごすことで、生産性が15%向上することが実験によって実証されている。この生産性向上には、職場で緑が豊かだと、協調性や集中力が高まることが寄与している。デスクの上に小型の植物を置いて、疲れたら3分間その植物を見たり、世話をしたりするだけでも、不安感やストレスがかなり軽減されるそう。

ジョギングやデスクに植物を置くといったことは、すぐに生活に取り入れられること。これだけで仕事のパフォーマンス向上が望めるのであれば、ぜひ試してみたいところだ。テレワークとも相性がいい。本書を手に脳科学的に説明できるこれらの方法を取り入れてみてはいかがだろう。

(T・N/新刊JP編集部)