業種や役職に関係なく、仕事で成果を出す人、そして出世していく人の共通点として「数字に強いこと」があげられる。数字に強いとは、つまり数字で話せること。数字で話せる人は、普段から自分の仕事に関係する情報や概念を数字で認識し、数字で考え、数字で評価し、数字で説明しようとしているのだ。これは、ひとつの技術だといっていい。

■「数字で語れること」の果てしないメリット

『『説得力と信頼感が格段にアップ! 入社1年目から仕事の数字に強くなる本』』(深沢真太郎著、三笠書房刊)では、さまざまなビジネスシーンを想定し、報告や意見の伝え方、データの読み方、資料づくりのコツ、プレゼンの技術など、ビジネスパーソンに必要な数字の基本を紹介する。

仕事で数字を使うことのメリットは「決められる」ことだ。どんな仕事においても、決めるという行為は避けて通れない。何かを決めなければならないとき、役に立つ数字の使い方が「重み付け評価」だ。たとえば、複数あるものの中から一つを選ばなければならない場合、まずは数字で差をつけて、重要度を数値化する。そして総合評価をして決定する。数字には大小があるため、この重み付け使うことで明確に差がつくれる。結果、「決める理由」を手に入れることができる。思い切って差をつけることが重要なポイントとなる。

また、「数学コトバ」をビジネスシーンでの会話で使うことで、論理的に考えて話せるようになる。数学コトバとは、著者の深沢氏の造語だ。たとえば、「言い換えれば」という数学コトバは「変換」の機能がある。「なぜなら」は「理由」の機能、「したがって」は「因果」の機能というように、前後にある文の関係を表現し、それらを整理して一つの表現にする機能がある。数学コトバは物事を考える際、頭の中で整理したり、要約したりするために役立つものなのだ。

実はよく見れば、誰もが普段から使っている接続詞がほとんど。「この人の話はわかりやすいな」「この人は仕事がデキる人だ」と思う人は、普段の何気ない会話の中で、数学コトバを使っているはずだ。いきなり考え方を変えようなどと思わず、意識的に数学コトバを使っていくことで、自然に論理的に考えることができるようになっていくという。

普段から意識的に数字で伝えることを心掛け、実践することで、論理的に考えることができるようになったり、言葉に説得力が生まれるはず。本書から数字で話す技術を身につけ、仕事やコミュニケーションに活かしてみてはどうだろう。

(T・N/新刊JP編集部)