愛犬の老い、知識と覚悟を 認知症で介護必要に、がんも急増

犬も老いれば、認知症やがんになるリスクが高まる(写真と本文は関係ありません)

 犬も認知症になることをご存じですか。年を取れば介護が必要になることも。専門家は、飼い主が正しい知識と、最後まで愛犬をケアする自覚を持つよう求めています。

 今年2月、ラブラドルレトリバーを女性が蹴る動画がネット上で拡散した。犬は15歳前後で、女性は「家中におしっこをする。しつけだった」などと説明したという。しつけだとしても体罰は動物虐待にあたり、日本獣医動物行動研究会などは効果も乏しいと指摘する。一方、動画を見た獣医師らからは、犬の認知症を疑う声が出ている。

 米国獣医行動学専門医の入交(いりまじり)眞巳・北里大客員教授は、「8歳を超えると、約2割の犬で何らかの認知機能の低下がみられるようになる」と話す。一般に、犬は8歳ごろから老化が始まり、犬の10歳は大型犬だと人間の75歳前後、中・小型犬だと55歳前後に相当するとされる。15歳前後のラブラドルレトリバーは、人間なら100歳超。認知症が出てもおかしくはない。

 最初に現れやすい症状はトイレの失敗という。「それまで決められた場所でできていたのに、至る所でおしっこをするようになる」(入交教授)。ほかにも、家族の誰かを忘れる▽睡眠サイクルが狂って夜鳴きする▽攻撃的になる――などの症状が特徴的とされる。

 症状が進めば薬を投与することもある。「しつけではなく認知機能の問題だと気付ければ、犬も飼い主も不幸な目にあわずにすむ。おかしいなと思ったら、早めに獣医師に相談してほしい」と入交教授は話す。

 高齢化すると、認知症以外にも様々な疾患が出てくる。「いぬ・ねこのSOS」などの著書がある山田英一獣医師は「特に大型犬の場合、介護の大変さを覚悟しておくほうがいい」。1980年代までは大半の犬が10歳以下で死んでいたが、平均寿命が14歳まで延びたことで「がんも急増している」という。

 がんなどは人間の数倍の速さで進行するので、介護期間は長くても1、2カ月程度のことが多い。一方、運動機能の障害や認知症だと、1年くらい寝たきりになることがある。この間、飼い主は排泄(はいせつ)の世話や床ずれを防ぐ支援などが必要になり、獣医療費もかさむ。山田獣医師は言う。「犬を飼うことには、覚悟と責任が伴う。それでも、犬の『最後の時間』は人間よりずっと短い。その時間を大切に過ごしてほしい」
(太田匡彦)


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