1歳の子どもに抱っこを要求されることが多く、“抱っこ”って、一番の愛情表現なのかなぁ……など感じる昨今ですが、猫にとっての抱っこは、必ずしもそうではありませんよね。 

 人の子どもはぎゅっとされると安心するのに、警戒心の強い猫の場合は、ぎゅっとされると「ギャー! 身の危険が…!」となってしまうのというのも、不思議なもののように感じます。

たまに甘えてくる顔がカワイイモモ

抱っこが嫌いなモモ、不安を体中で表現 

 

前々回
お話したように、キジトラ猫の「モモ」を抱っこして体重を測ったのですが、その時のモモの、まぁ不安げな声ったらありませんでした。

 まるで、大嫌いなお風呂に入ったときのように、「ナーン」と鳴いて、早く下りたい気持ちを体中で表現していました。

 モモは子猫の頃から抱っこが苦手な猫でした。最初は、もともとが野良猫だから、警戒心が強いのだろうと思っていましたが、8年経って信頼関係が構築された今でも、抱っこは嫌いなままです。

 モモの他にも、抱っこを嫌う飼い猫さんは多いかもしれません。実家の猫も、抱っこが大っ嫌いで、無理やり抱っこしようものなら、血を見ることになります。 

2匹でひとつ?のようになっている猫ら

 一方、サビ猫の「あんず」は、抱っこが好きで、飼い主の膝には毎日乗るし、初対面の人でも慣れれば膝に乗ってきます。あんずが子猫の頃、初めて会ったときですら、夫が抱っこすると、すぐに喉をゴロゴロと鳴らしていたものでした。

 なので、猫全般が抱っこ嫌いというわけではないのでしょうが、さすがのあんずも、動きを制限されるような抱っこはちょっと苦手です。

 以前、友人親子が遊びに来たとき、小学2年生の子が、いつの間にかあんずを抱っこしていたのですが、あんずは「ものすごく嫌だけど、ガマンするか……でも嫌だぁ」と、葛藤しているように見えました。(すぐに離してもらいました)

 なでるだけなら、あんずはいくらでも応じますが、抱っことなると“ご相談次第”になるようです。

あんずに足を乗せられてもぐっすり

モモは甘えん坊? ドライ? 

 気が向かなければ、抱っこどころか触られるのすら嫌いという猫もいますが、モモもいつでも触ってOKというわけでもありません。

 モモは、昼間はあまり人間に寄りつかず、夜になると近寄ってきて、私が寝る前には特に甘えるようになり、足元で「ニャーンニャォ−ン」と甘え声を出して、ついて回ってきます。

 1日のうちでそのときだけは、いつまででもモモを撫でることが可能ですが、抱っこするとやっぱり逃げてしまいます。あれだけ“まだ寝ないでここにいて〜”と懇願して甘えてきたにも関わらず、抱っことなると嫌なのです。

 地上から離れるのが怖いのでしょうか? それとも、動きを制限されることに不安を覚えるのでしょうか?

 モモは寝る前以外にも、まれにものすごく甘えてくるのですが、飼い主の膝に乗るのは年に数えるほどしかありませんし、乗ってきても、すぐに降りてしまいます。

 またモモは、人に抱っこされるのは怖いくせに、あんずと一緒に寝ているとき、あんずにギューッとされるのは安心できるようで、抱き合ったままぐっすり眠っています。

 人間にぎゅっとされたら力の差で逃げられないけれど、あんずならギュッとされても逃げられるので安心できるのかな、なんて思っています。

 モモのように警戒心の強い猫というのは、抱っこ以外のことで、飼い主の愛情を確かめているのでしょうね。モモの場合は、自分が甘えたい時、それに応えてくれることや、美味しいゴハンをくれることなのかもしれません。

 これから先も、モモを愛情たっぷりにギュッとしても喜んでくれることはないのでしょうが、適度な距離感のツンデレ具合が猫のカワイイところでもあります。

(ヤスダユキ)