うひょー! まるで子熊のかわいさ(お父さん提供)

 根強い人気を誇る柴犬。子熊のようなかわいさの黒柴をお迎えしたら、甘がみやフードアグレッシブがひどく、一人暮らしのお父さんは困り果ててしまう。救いを求めたUG DOGSアトラスタワー中目黒店の高橋信行店長も、黒柴の難しさを痛感していて……。

 激アツ店長、中目黒の駅前で叫ぶ。

 「野生に近く繊細。厳しくすると壊れてしまうかも……。黒柴は難しい!」 

(末尾に写真特集があります)

一人と一匹の暮らしが始まる

「今飼わなかったら、きっと一生飼わないだろう」

 3年前、30歳を迎えたのを機に、ずっと夢に見ていた犬との暮らしを始めようと決意した。

 お父さんはブリーダー直販のペットショップへ。探していたのは、黒柴。「毛色がちょっと珍しいし、マロ眉がかわいいな、って」。その日に出会いはなかったものの、帰宅後、系列の別のショップに黒柴の子犬が来たと連絡が来て、すぐに向かった。

 その男の子は元気いっぱい! 「わちゃわちゃ走り回り、別の子犬のケージの水を横取りして飲むわんぱくぶり(笑)。でも元気が一番だと思い、その場で即決しました」

 子犬は「ゴン蔵」と名付けられ、一人と一匹の新しい暮らしがスタートした。

一人と一匹の男子暮らしスタート!(お父さん提供)

ものすごい形相でうなるゴン蔵

 ゴン蔵くんは、ケージの中に入れるとキュンキュン鳴き続け、出せば家の中を爆走。トイレをなかなか覚えず、甘がみもひどかった。お父さんは犬のしつけに関するYouTubeなどを参考に、甘がみをしたら犬の体をひっくり返しておなかを出させる、いわゆる「服従」のしつけをしようと試みた。

 またその動画では、食事中や食器を片付けようとしたときに、うなったりかんだり攻撃的な行動をとる「フードアグレッシブ」がある場合は、きちんとしつけるべきだと解説されていた。まだ月齢3カ月だし、フードアグレッシブなんてないだろう……と試しに食器に手を入れてみたら、ガブッ! ゴン蔵くんはお父さんの手にかみついた。

「これはなんとかしないと、と。でも、動画を見て色々やってみたのですがうまくいかない。また、ひどくはないものの、ゴン蔵が時々自分の尻尾追いをすることも気になりました」

これがフードアグレッシブ! 動画サイトで見た棒を使う方法を試し、ドッグトレーナーに見せるため録画した(お父さん提供)

黒柴は野性味が強く繊細

 ネットを検索する中で、高橋店長のブログに行き着く。「尻尾追いを悪化させ、自分の尻尾をかみちぎってしまった柴犬の記事にドキッとしました」とお父さん。お迎えしてから約1カ月、自分なりにがんばってはみたものの、なかなかうまくいかない。お父さんは高橋店長のカウンセリングを受けることを決める。

 ちょうどそのころ、店長はあることを感じていた。

「黒柴の子犬はほかの毛色の柴犬と違う。より野性味が強くて、見た目の通りまるで子熊みたいだな、と」

 こう続ける。

「柴犬のスタンダードと言える赤柴は、最初にダメなものはダメと教えると、その後は比較的順調に成長していく場合が多い。対して黒柴は、厳しくしすぎると逆効果になることがある。野性味が強く繊細がゆえの難しさを感じていました」

わんぱくでもいい! でも、ちょっと困った……(お父さん提供)

 そんなタイミングでやってきたゴン蔵くん。「基本的には明るくて闇のない『陽キャ』でした」と店長。どちらかというと、店長が心配したのはお父さんの方だった。

「お父さんからは『一人でちゃんと育てる』という信念と覚悟を感じました。ゴン蔵くんを大切にするがゆえのその強い思いから、少し厳しいし闘いすぎかな、とも」

 最後のワクチン接種が終わり、落ち着いたタイミングで、ゴン蔵くんの社会化お泊まりの熱い1週間が幕を切って落とされた。

 後編へつづく(11月28日公開予定)

高橋信行店長 プロフィール
物心がつく頃から動物関係の仕事に就きたいと考え、動物系の専門学校を卒業後、ペットショップに就職。いくつかの転職を経て、現在はUG DOGSアトラスタワー中目黒店店長。これまでカウンセリングは1300件以上、お泊まりで預かった犬は1000匹を超える。愛犬は、ジャック・ラッセル・テリア「ロイス」。
UG DOGS アトラスタワー中目黒店
住所:東京都目黒区上目黒1-26-1 中目黒アトラスタワー106
TEL:03-5708-5592
営業時間:11:00〜20:00(年中無休)
公式サイト:
https://anm.ugpet.jp/
店長ブログ:
https://www.ugpet.com/blog/anm/

※カウンセリングは電話、対面とも要予約。HPや高橋さんのブログをチェックした上で問い合わせを。UGでは基本的に保護犬を預かる活動はしていません。