[J1第15節]横浜2−0京都/5月25日/ニッパツ三ツ沢球技場
 
「シュートコースを狙うより、勝ちたいという想いのほうが強かったです」
 
 試合後の会見で先制点を挙げた小池龍太がこう口にしたように、いろんな想いが詰まった一戦だった。
 
 この日は序盤から横浜F・マリノスらしく高い位置でボールを保持し、41分に小池龍が先制点を奪う。後半に入っても流れは変わらず、松原健がミドルシュートを決めて完勝。交代枠を使い切っていたため、終盤は喜田拓也の負傷退場で10人でのプレーを余儀なくされたが、相手に反撃のチャンスを与えず3試合ぶりの勝点3を手にした。
 
 直近2試合は不甲斐ない試合が続いていた。11節・浦和レッズ戦は攻撃陣が上手く絡み合って3点を先行するも、後半に追いつかれて引き分けた。そして14節・アビスパ福岡戦はアンデルソン・ロペスの唾吐き行為による退場によって10人での戦いを余儀なくされ、最後まで攻勢に出るが敵守備陣を崩すことができず0―1で敗戦した。

 小池龍も「ここ最近の試合内容や結果を自分たちで覆していきたかった。自分は他の選手より多く試合に出られているので、勝ちたいという気持ちを乗せてシュートを打ちました」と、その想いが結実した試合になった。
 
 小池龍の得点はチーム通算1600点目のメモリアルゴールとなった。横浜の歴史に名を残したことについても、「僕のゴールがメモリアルですが、それまでに多くの選手が1点を取るために相当な距離を走っています。一つひとつ繋いできたパス、ゴールなので、そのなかでの努力やきれいごとだけではないところも含めて大切にしたい。クラブにとっても自分にとっても大切」と、チーム全員で積み上げてきた喜びを語った。
 
 今季は京都戦や福岡戦だけでなく、畠中槙之輔が退場した2節・柏レイソル戦など、数的不利のなかで戦う試合も少なくないが、小池龍は「それでもマリノスがやることは変わりません」と話し、こう続ける。

「10人になっても(京都戦は)10人だと感じなかったはずです。少し話は違いますが、前節にロペスが退場しました。彼自身はものすごく反省していて、今日の試合は彼の頑張りが報われたと感じています。

 皆さんには見えませんが、前日練習では相手チーム役を100パーセント以上の力でやってくれています。彼はマリノスファミリーを大事にしている。それを知っているから今日の試合は絶対に勝ちたかったですし、彼を支えるという意味で強く戦えたと思います。10人の状況もマリノスファミリーの絆や強さを持っているからこそ、乗り越えられています」
 
 決勝点を決めた松原も、「彼がしてしまった行為は反省すべきですが、彼から離れることはありません。よりチームとしてまとまり、ロペスや試合に出ていない選手の分も、試合に出ている選手が責任を持ってプレーし、チーム一丸となってやっていきたい」と力強く述べた。
 
 マスカット監督は常々「勝つためには全選手が必要で、誰が出ても約束事は変わらない」と口にしている。それをピッチに立った選手が体現できているからこそ、誰が出ても変わらない“一体感”がある。次節は5月29日にアウェーでジュビロ磐田と対戦する。そこでも強い横浜を存分に見せつけてくれることを期待したい。
 
取材・文●金子徹(サッカーダイジェスト編集部)

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