世界中に驚きをもたらした日本代表のドイツ戦勝利。元イングランド代表のエースで、キャプテンでもあったアラン・シアラー氏にその印象を訊いてみた。彼とは『BBC』の番組に何度も一緒に出演した中だ。

「この日は日本サッカーにとって最高の日だっただろう。ドイツの攻撃がミスするたびに、日本は成長を遂げていったような気がする。この試合のドイツはまるで自分を見失っていたかのようだった。ピッチにリーダーがいなかったのか、統一性を欠き、迷子になっていたかのようだった」
 
 彼は日本の戦いぶりを、彼の心のクラブ、かつてのニューカッスルと重ね合わせていたようだ。

「一方、日本にはリーダーなど必要なかった。チーム全体でプレーし、それは一時期の私のニューカッスルのようだった。皆が共通した意識と目標を持ち、皆が自己犠牲の精神を持っていた。すべてはチームのために、だ」

 名ストライカーは「ドイツが追加点を取れなかったのは、集中力にも欠けていたからだ。ドイツ代表の選手はみな一流のスターだが、彼らは苦しめられた。ドイツがシュートをミスする度に、日本は自信を深めていき、闘志を燃やしていった。もちろん早くタイムアップの笛を鳴らしてくれと祈っていたとは思うが」と話を続け、こう締めくくった。

「スコア上の1点の差はそれほど大きなものではない。ただドイツに2−1で勝ったという事実は、日本サッカーの歴史にとって、途轍もなく大きな意味を持つだろう」

取材・文●リカルド・セティオン
翻訳●利根川晶子

【著者プロフィール】
リカルド・セティオン(Ricardo SETYON)/ブラジル・サンパウロ出身のフリージャーナリスト。8か国語を操り、世界のサッカーの生の現場を取材して回る。FIFAの役員も長らく勤め、ジーコ、ドゥンガ、カフーなど元選手の知己も多い。現在はスポーツ運営学、心理学の教授としても大学で教鞭をとる。

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