現地時間5月17日に行なわれたチャンピオンズリーグ(CL)の準決勝第2レグで、レアル・マドリーはマンチェスター・シティと対戦し、0−4で惨敗。スコアだけでなくゲーム内容でも終始主導権を握られ、文字通りの完敗だった。

 ライバルのバルセロナに優勝を許したラ・リーガに続き、CL連覇も逃したことで、マドリーのファンからは現在のスカッドに対する懐疑的な声が集まっている。そんな中、スペイン紙『AS』は、今夏の移籍市場でマドリーが大型補強に動く可能性を報じている。

 
 まず最優先のターゲットとされているのは、ドルトムントに所属するイングランド代表MF、ジュード・ベリンガムだ。19歳にしてブンデスリーガ屈指のセントラルMFとして活躍するベリンガムは、ルカ・モドリッチ、トニ・クロースの後釜として是が非でも獲得したい存在。すでにベリンガム本人とは個人合意に達したという報道もあり、残すところはドルトムントとのクラブ間交渉のみという状況だ。

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 しかし、ドルトムント側は25年6月まで残っている契約を理由に高額な移籍金を要求していて、交渉は一筋縄ではいかないという見方もある。記事ではドルトムントとの交渉が失敗に終わった場合のプランBとして、セルタのスペインU−19代表MF、ガブリ・ベイガの名前を挙げている。ベイガは昨夏にセルタのトップチームに昇格した20歳の俊英で、今シーズンのラ・リーガで9ゴールと大ブレイクを果たしている。
 

 エースのカリム・ベンゼマが君臨するセンターフォワードには、24年夏にアーリング・ハーランドを獲得し、世代交代を敢行するという計画があるようだが、今シーズンはベンゼマも衰えが指摘され、マンC戦でもほとんどボールに絡めなかった。実質的にベンゼマのバックアッパーが不在ということもあり、今夏の補強ポイントとして浮上。記事ではともに今夏に移籍の噂があるハリー・ケイン(トッテナム)とドゥシャン・ヴラホビッチ(ユベントス)を挙げている。
 


 さらに、両サイドバックも強化ポイントとして指摘。右サイドバックはダニエル・カルバハルとルーカス・バスケスがともに31歳で、世代交代の一手を打つべきタイミング。ターゲットとして浮上しているのが、チェルシーに所属する23歳のイングランド代表DF、リース・ジェームズだ。

 ジェームズとチェルシーの契約は28年6月まで残っているが、チェルシーは今夏に選手の売却が必要となる見通しで、ジェームズが市場に出回る可能性があると報じている。

 


 左サイドバックはラージョ・バジェカーノのフラン・ガルシアの加入が内定している一方、クラブは怪我で離脱を繰り返したフェルラン・メンディを売却候補としてリストアップ。左サイドバックの絶対的な存在として、カナダ代表のアルフォンソ・デイビス(バイエルン)をターゲットにしているようだ。

 当初、デイビスはバイエルンとの契約が残り1年となる24年夏のタイミングで補強に動くと思われていたが、マンチェスター・Cが今夏の獲得を狙っているとの報道も出ていて、マドリー側も動きを早める可能性がありそうだ。

 近年はかつてのジネディーヌ・ジダンやクリスティアーノ・ロナウド、ガレス・ベイルのようなビッグネームの獲得がなく、比較的現実路線の補強戦略を講じているマドリー。補強の全権を握るフロレンティーノ・ぺレス会長の“鶴の一声”で、銀河系軍団の再建はあるのか。
 

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部

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