[WEリーグ第21節]浦和L4−0大宮V/6月3日/浦和駒場スタジアム

 三菱重工浦和レッズレディースは6月3日、WEリーグ第21節で大宮アルディージャVENTUSとホームで対戦。引き分け以上でリーグ初優勝を決められる一戦で、浦和Lは24分の猶本光のゴールを皮切りに、45分に島田芽依、60分と77分には清家貴子が得点を決めて、4−0で圧勝した。

 この試合で、GK福田史織は安定した守備で完封に貢献。大きなピンチが少なく、大量リードとなるなかでも、集中力を切らさず、67分に大熊良奈が放ったボレーシュートや、83分の鮫島彩のミドルは、しっかりとキャッチしてみせた。

 福田は周囲に感謝しつつ、自身のプレーを振り返る。

「普段、守ってもらっている分、『自分もやらなきゃ』という気持ちが大きかった。そんな、セービングというほどのものでもなかった。安心して守備に臨めた」

 チームの初優勝の瞬間も、「いつもの勝ちと同じような感じ」だった。

「嬉しいよりも、勝って良かった。(安藤)梢さんが少し泣いているのを見て『ああ、優勝したんだな」と」
 
 初戴冠がかかるゲームで、堂々としたプレーを披露した福田は、1週間前に試練を迎えていた。勝てば優勝が決まる状況で敵地に乗り込んだ20節のAC長野パルセイロレディース戦で、前半に先制しながら、68分と90分の失点で逆転負け。15勝1分1敗だったチームが、今季2敗目を喫した。

 楠瀬直木監督は「キーパとしてのミスではない」としていたが、福田は試合後、涙を流して悔しがっていた。そこから、いかに奮起したのか。

「長野の日と、次の日くらいは、すごく沈んで。月曜日にちょっと復帰して、火曜日から練習だったので、切り替えてやらなきゃという気持ちで頑張った」

 先輩からの励ましもあった。なでしこジャパンでも十分な実績があるGK池田咲紀子からは「良い経験だよね」と声をかけられたという。「咲紀子さんもこういう経験をしてきているし、『若いうちからこういう経験を積めて良かったね』という言葉をいただいた」と感謝した。

 長野L戦の悔しい敗戦を無駄にはしなかった。「長野戦は、最後は押されて、前に蹴ってもラインアップができなかったので。そこを今週は意識して、少しでも下がったらラインアップをすごく意識した」という。

 今季はスタメンに定着し、優勝を目ざすチームを最後尾から力強く支えた。「最初は緊張で、『自分が出て大丈夫なのかな』というのがあった」と素直に認めつつ、「メンタルとクロス対応はすごく成長した」と胸を張る。

 進境著しい守護神のさらなる飛躍が楽しみだ。

取材・文●野口一郎(サッカーダイジェストWeb編集部)

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