世界的には、決してビッグネームではないだろう。だが、アンジェ・ポステコグルー新監督がトッテナムに思わぬ価値をもたらすかもしれないとの声もある。

 欧州で知られていなかった日本のタレントたちを引き抜き、セルティックで開花させたポステコグルーの手腕は周知のとおりだ。

 英紙『Mirror』は、「前線の選手のベストを引き出すチームをつくれることは実績が示す。アジア市場に関する知識は、サッカー界で最もオープンな秘密のひとつだ」と報じた。

「ポステコグルーはブライトンが獲得する前にカオル・ミトマ(三笘薫)をセルティックに欲しがった監督だ。キョウゴ・フルハシ(古橋亨梧)、ダイゼン・マエダ(前田大然)、レオ・ハタテ(旗手怜央)など、アジアからスコットランドに移籍した選手たちはみな、彼の下で活躍した」
 
 ポステコグルーのトッテナム行きが決定し、セルティックの日本人選手は、後を追う可能性が注目されているところだ。だが、候補となる日本人選手の名前はほかにも浮上している。例えば、シュトゥットガルトの伊藤洋輝もそのひとりである。

 Mirror紙は「24歳のヒロキ・イトウもあるかもしれない。スパーズが熱望してきた左利きのCBだ。CBとしてもウイングバックとしても3バックの左を務めることができる」と伝えた。

「約650万ポンド(約10億7000万円)というコストで、ブライトンにノーベル経済学賞を贈りたくなるのと同じくらいの掘り出し物となるかもしれない」

 スコットランドでの活躍はプレミアリーグでの成功を保証するものではないとの声は少なくない。Mirror紙も「確かにレンジャーズでジョゼップ・グアルディオラのようだったスティーブン・ジェラードはアストン・ビラで失敗した」と指摘している。

 だが、同紙は「ポステコグルーのキャリアは、監督として成長していく適切なステージで正しい移籍をしてきたことを示している」とも続けた。

「オーストラリアのブリスベン・ロアーで連覇し、オーストラリア代表でアジアカップを制して、日本のJリーグで『アイデンティティの危機』に苦しんでいた横浜F・マリノスを王者に変えた。2014年にルイス・ファン・ハールに断られた後に偶然マウリシオ・ポチェティーノを見つけたように、トッテナムのダニエル・レビィはまた偶然に金を掘り出したかもしれない」

 トッテナムとポステコグルーの決断は、吉と出るか、それとも凶と出るのか。日本人選手獲得の行方も含め、じつに興味深い。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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