[ACLグループステージ5節]川崎5−0ジョホール・ダルル ・タクジム/11月28日/等々力陸上競技場

 ACLのグループステージ第5戦としてホームでジョホール・ダルル・タクジムと対戦した川崎は、5−0で快勝。これで今年9月に開幕したACLのグループステージで破竹の5連勝を飾り、一試合を残して、来年2月に行なわれる予定のラウンド16進出を決めた。

 川崎の過去を辿ればACLのグループステージでは苦戦する傾向が強かったように映る。しかも今大会は何度も苦汁を飲まされてきた韓国の蔚山現代、マレーシア国内内では無類の強さを誇るジョホール、そして今年6月まで川崎に所属したチャナティップ擁するパトゥム・ユナイテッドと、“死の組”と呼ばれたグループIに割り振られていた。

 今大会はこれまでの春開幕ではなく、9月開幕で、まず単純に時期の違いがあるが、川崎はなぜ5連勝を果たせたのか。クラブに長年在籍する小林悠は少し悩みながらこう答えてくれた。

「うーん、なんだろう、もちろん今もそうですが、自分たちのスタイルをアジアでも重視してやっていますが、今大会は少し相手の嫌がることをするようになってきて、それが良かったんじゃないかなと個人的には思っています。

 選手間でもよく話していますし、もちろん自分たちのスタイルをやりたいところと、相手の嫌がることを、上手くバランスを取りながらできているのかなと。それはみんながしっかりコミュニケーションを取って、話せているからこそだと感じます」

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 今季の川崎は世代交代を押し進めながら戦っただけに苦戦を強いられる試合が多く、覇権奪回を目指したリーグ戦では、最終節を前に9位と、中位に甘んじる。

 もっともこの苦しい日々が、今につながっていると今季からキャプテンを務める橘田健人は話す。

「なかなか上手くいかない時期もあったんですが、そういう時期にいろいろチーム内で話し合ったりだとか、お互いにいろいろ良くしようと意見を言い合って、そこで簡単に折れないチームに、自分たちから折れない強い集団になれているのかなと思います。自分たちでピッチのなかで修正する力が付いてきたのかなと。

 上手くいかない時にしっかりみんなが言い合って、そこで出たことをしっかりやり切るようになってきて、それが上手くいったのかなと思います。それはチームとして良い傾向だと思います。

 一番は自分たちのサッカーをやって勝てることですが、長い戦いのなかで、そう上手くいかないことも出てくる。そういった時に修正する力が付いているのは、チームとして成長している部分です。

 結果が出ず、正しいのか自分たちのなかで疑問があった時期も過ごしましたが、最近は結果が出てきて、やってきたことが間違ってなかったと自信がついてからは、良くなっています。

 上手くいかない状況があったからこそ、こういう話し合いが出てきましたし、上手くいっている時は、そういう話が逆に少なかったからこそ、ダメな試合の時はそのまま崩れちゃったのかなと思いますし、そういう意味では選手ひとりずつが我慢強くなっています。話し合いの質も上がっていると感じます」

 チームとしての成長をACLでの躍進につなげられているということなのだろう。このジョホール戦の翌日には鬼木達監督の続投も発表。天皇杯では柏との決勝も控える。タイトルを手にできれば、自信はさらに強いものになるはずだ。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

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