若かりし頃から鎌田大地を知る人物は、ラツィオのスタイルが合っていなかったと見ているようだ。

 ラツィオ専門サイト『La Lazio Siamo Noi』は3月27日、ガンバ大阪のジュニアユースで鎌田とプレーし、現在でイタリアで仕事をしている仲井康大氏のインタビューを掲載した。

 フランクフルトとの契約満了を経て、当初はミラン加入に近づいた鎌田だが、EU圏外枠の問題もあって移籍が決まらないうちに、技術部門の人事変更で取引が破談に。その後、セルビア代表のセルゲイ・ミリンコビッチ=サビッチが退団したラツィオと契約を結んだ。

 当初はミリンコビッチ=サビッチの後釜と見られた鎌田だが、開幕から4試合こそスタメン入りしたものの、以降はベンチスタートに定着。マテオ・ゲンドゥジにポジションを奪われ、思うように出場機会を得られないシーズンを過ごしてきた。

 仲井氏は「ダイチは常にミリンコビッチ=サビッチとの比較に準備ができていると言っていた。でも、長い目で見て、彼の助けにならなかったと思う」と述べている。

「これだけ強く、多くを与えてきた選手と比較されるプレッシャーのマネジメントは簡単じゃない。それに、彼らは違う(タイプの)選手たちだ。ミリンコビッチ=サビッチはフィジカルでも違いをつくれるが、カマダはマシン全体が機能するときに機能する。クランクシャフトとピストンを最高に動かすオイルだ。タッチ数が少なく、飛び出していくプレーが必要なんだよ」

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 辞任したマウリツィオ・サッリ前監督の下で輝けなかった鎌田だが、仲井氏は「監督のことはいつもよく言っていた」と話している。

「結果が出ないと何かを変えなければいけないのは普通のことだ。ゲンドゥジのほうがもっとカメレオン的で、もっと穏やかな気質のダイチよりもバトルへの準備がある。8番として彼の出場機会を増やす選択もあり得る」

 今季1ゴール・1アシストにとどまっている鎌田だが、本来の力を発揮できる環境になかったとの見方もある。仲井氏によれば、路上で鎌田を応援するファンとも出会うそうだ。

「外出するとサインや写真を求められることがあるが、ラツィオのサポーターは常にとてもやさしく、うまくやれるように彼を励ましている。ずっと彼をとてもよく扱ってくれた」

 サッリの辞任でイゴール・トゥドール監督が就任し、事態が好転するか注目される鎌田。シーズン後の退団が濃厚とも言われるなか、残りのシーズンでの活躍が期待される。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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