5月24日、長谷部誠(アイントラハト・フランクフルト)が現役引退会見に出席。普段はあまり話さない家族についても語った。

 40歳の元日本代表キャプテンは、5月18日に開催されたブンデスリーガ最終節のRBライプツィヒ戦に、後半アディショナルタイムから出場。現役最後の勇姿を見せつけた。

 試合後、娘と息子が駆け寄り、抱擁を交わした際には思わず男泣き。ファンの間で大きな感動を呼んだ。この時の感情を問われると、長谷部は「恥ずかしい限り」と照れ笑いを浮かべた後、こう答えた。

「時間をかけて引退の準備ができたので、あまり感傷的になることはなかったんですけど、なぜか子どもたちが駆け寄ってきた時には、溢れる思いが出てしまいましたね」

 また、妻でモデルの佐藤ありささんや両親らへの感謝も口に。熱い想いを伝えた。
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「今こうして自分がプロサッカー選手として、こんなに多くのメディアの皆さんの前で話をできるのは、やはり家族の存在が大きかったと思います。愛情たっぷりに育ててくれた祖父母、公私ともに全力で支えてくれた姉と妹、娘と息子は元気溢れる本当に自分にとって宝物のような存在ですね。

 僕にサッカーを与えてくれて、本当に本当に厳しく育ててくれた父親。母親と妻には心からの感謝を伝えたいです。母親と僕の両方を知る人はみんな『この母親がいて、長谷部誠がいるんだね』って言うんですけど...見た目も似てるらしくて、とにかく真面目で、世間的に真面目と言われる僕が真面目と言うくらいですから、だいぶ真面目だと思います。人間形成のうえで一番影響を受けた人物です。自分が母親のもとに生まれてきて、今大きな喜びを感じています。 

 妻に関してはとても大きな負担をかけたなと。サッカーを軸に生きる自分で、かなり振り回されたと思います。自分と一緒になることで、ずっとやってきた大好きな仕事を犠牲にしなければいけない、そういうものもあったと思うので、これからは彼女の夢、好きなことをもっとサポートしていきたいです。家を空けることも多かったので、家族との時間を大切にしていきたいなと思います」

 引退時期を決めたのは、「はっきりは自分でも分からないです。時間をかけてっていうのはやはりあって、正式に自分の中で決めたのは2か月前くらいで、3月下旬ぐらい」だという。最初に伝えたのは妻で、両親にもすぐ連絡したと振り返ったなか、厳格な父のリアクションも明かした。

「妻や母親は素直に受け入れてくれたと思うんですけど、父親は『いいのかそれで!』みたいな感じで怒っていました。『俺は認めん』って。でも多分その時はお酒が入っていたので、半分本音、半分お酒の力だと思います」

 世間的に「真面目」で通っている長谷部。そのイメージを逆手に取り、何度も報道陣を笑わせていたのも印象的だった。

取材・文●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

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