鎌田大地はラツィオの監督交代を機に再生した。イゴール・トゥドールの下で、それまでが嘘だったかのように輝きを放っている。

 ただ、前任者も鎌田の力を認めていた。決して多くの出場機会を与えなかったマウリツィオ・サッリ前監督だが、イタリア・セリエAへの適応の難しさが原因だったという。

 ナポリで世界を魅了するサッカーを展開し、チェルシーやユベントスでトロフィーを獲得したサッリは、稀代の戦術家として評される。そんな指揮官と鎌田がタッグを組むことで、当初は小さくない期待が寄せられた。

 しかし、サッリの4−3−3システムでインサイドハーフに起用された鎌田は、思うようにインパクトを残せず。周囲との息も合わないことが多く、開幕4試合こそスタメン出場したが、以降は出番を失っていった。

 当時からサッリが選手としての鎌田を評価していたことは確かだ。そのうえで、「チームバランス」を理由に外さざるを得ないとの見解を示していた。それでも、トゥドールの下で鎌田が躍動するのを見れば、なぜサッリが使いこなせなかったのかという疑問は残る。
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 辞任から2か月以上が過ぎ、サッリは『Sportitalia』のインタビューで、「ミシェル・プラティニはイタリアに来たとき、5か月苦労した。すでに欧州にいたとしても、日本の選手が最初に苦しむのはあり得ることだ」と話した。

「カマダは練習で良いレベルの選手だと見せていた。技術的クオリティが良いレベルなのは疑いなかった。私がいたときの彼は苦労したということなんだ」

 サッリの下でその才能を存分に発揮した選手もいる。だが、鎌田はそうではなかった。監督と選手がフィットするかどうかは難しい問題だ。サッリと鎌田を見て、改めてそう感じた人は多いのではないだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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