夏のインターハイ予選が佳境を迎えている。すでに代表校が決まっている地域があり、プロ注目のFW高岡伶楓(3年)を擁する日章学園(宮崎)や、同じく高校年代屈指のタレントであるFW名和田我空(3年)が所属する神村学園(鹿児島)が勝ち名乗りをあげた。
一方、U-18高円宮杯プレミアリーグWESTで好調をキープする東福岡(福岡)が県予選の準決勝で敗退する波乱もあり、群雄割拠の戦いは熾烈を極めている。
そんな“真夏の祭典”を目ざす戦いだが、今年度からレギュレーションが変更された。昨年度までインターハイの開催地(地域ごとの持ち回り)で他種目とともに行なわれていたが、今年度からサッカー競技は開催地を固定。男子は福島県、女子は北海道で実施されることが決まった。
ここ数年、日本サッカー協会などは暑熱対策の一環で比較的涼しい場所での開催を求めていた。連戦の問題は解消されていないが、プレーヤーズファーストの一手が競技レベルを引き上げるだろう。
そうした新たな施策により、出場枠にも変化が生まれた。開催県枠として元々与えられていた1枠に加えて、男子は福島、女子は北海道で1枠増える。特に男子は福島県から2校が出場できるようになったため、今まで以上に競争力が高まる可能性が高い。
福島と言えば、近年は尚志の活躍が目立つ。2018年度に高校サッカー選手権でベスト4に入り、翌年にはインターハイでも4強入り。プレミアリーグにも籍を置いており、今年度はBチームがプリンスリーグ東北、Cチームが福島県リーグ1部で戦うなど、青森山田と並んで東北を代表する強豪校として実績を積んでいる。
実際に県内のインターハイ予選でも無類の強さを誇っており、6月1日の準決勝では石川学法を6−1で撃破。14年連続16回目となる全国行きを決めた。
だが、インターハイの福島県開催が、長年続いてきた“尚志一強時代”の流れを変える契機になるかもしれない。
1日の準決勝で東日大昌平を1−0でくだし、悲願の夏冬通して初となる全国大会出場を決めた帝京安積の小田晃監督は言う。
「目の前に2つ目の出場枠がある。(プレミアリーグ勢で強豪校という事実を踏まえて)現実として尚志以外にもう1チームが出場できるのはモチベーションになります。県予選の組み合わせが決まれば、より目の色を変えて出場権を取りに行きたいと思える」
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帝京安積は東京の帝京、新潟の帝京長岡との系列校で、2009年から本格的に強化を進めてきた。同年に清水商OBの小田監督が就任してから地道に積み上げ、13年に福島県リーグ2部に参入。16年には同1部に昇格し、サッカー部専用の人工芝グラウンドとクラブハウスが完成した20年からはプリンスリーグ東北で技を磨いてきた。
しかし、全国大会とは無縁。毎年のようにあと一歩まで迫りながらも涙を飲み、尚志の壁を越えられずにいた。福島県開催を追い風にし、インターハイ出場を決めたのは強化のスピードを上げていく意味で大きい。
選手獲得でも全国大会に出場した実績があるのと、ないのでは全く話が変わってくる。「尚志と同じ地区なので」と小田監督は苦笑いを浮かべていたが、今夏の躍進次第では新たな流れが生まれるかもしれない。
帝京安積だけではなく、他校も虎視眈々と全国行きの機会を狙っている。今夏は惜しくも準決勝で帝京安積に敗れたが、東日大昌平も強化を進めており、昨年度には付属中が初の全国中学校サッカー大会に出場。中高一貫のメリットを活かしながら、新たな風を吹かせようと試みている。
惜しくも今予選は2回戦で敗れたが、東北プリンスリーグで戦う聖光学院も侮れない。2020年度に選手権に初出場した学法石川も地元の福島の選手に加え、関東圏や宮城などから選手が集まってきている。
そして、ふたば未来学園も、市立船橋時代に選手権やインターハイで日本一に導いた実績がある朝岡隆蔵監督を今季から招聘。今予選は初戦敗退に終わっており、全国を席巻するまでにはもう少し時間がかかるが、「近い将来、日本一を獲りたい」と話す指揮官の目は野心に満ち溢れていた。
2枠となったことで、全国の舞台で経験を積むチャンスが増えたのは間違いない。2日に行なわれた福島県予選決勝では、帝京安積が尚志を2−2の末、PK戦でくだして初優勝を成し遂げた。
尚志の安泰とは言えず、勢力図が変わる可能性は十分にある。今後も福島県の高校サッカーから目が離せない。
取材・文●松尾祐希(サッカーライター)
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合言葉は打倒尚志――福島県に吹く新たな風。今年度からインハイ出場校が2枠に増えた価値と新たな可能性
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