「誰にも負けない存在になれる」明治大10番がレイソル加入を決めた理由。魅力的なリカルドサッカー「楽しみながら挑戦したい」

SOCCER DIGEST Web6/20(金)9:45

「誰にも負けない存在になれる」明治大10番がレイソル加入を決めた理由。魅力的なリカルドサッカー「楽しみながら挑戦したい」

来季の柏内定が発表された島野。大学サッカー界屈指のボランチだ。写真:安藤隆人


 6月18日、明治大学の10番でキャプテンを務める183センチの大型ボランチ・島野怜が2026シーズンより柏レイソルに加入することが発表された。

 島野は仙台育英高時代からフィジカルの強さと足もとの技術に加え、ミドルパスで攻撃を組み立てれば、果敢に前線に飛び出してミドルシュート、スルーパスから抜け出してのシュート、クロスからのワンタッチゴールと多彩なゴールアプローチも見せる。

 FW、トップ下、ボランチとセントラルポジションならどこでもこなせるスキルは、高校時代から大きなポテンシャルを感じさせるものがあった。

 明治大では1年から出番をコンスタントに掴んだ。縦に早い展開のなかで、中盤でのワンタッチプレーや素早い切り替えからのハイプレスを習得し、さらにそのスケールを広げていった。

 最高学年となった今年は、2年連続得点王&アシスト王という偉業を達成したFW中村草太(サンフレッチェ広島)から10番とキャプテンマークを引き継ぎ、『紫紺の心臓』として心身ともにチームの中枢となっている。

 高校時代も10番とキャプテンマークを託され、前への迫力と精悍な顔つきでチームを鼓舞する姿が印象的だった。4年後に同じシチュエーションになって話を聞くと、よりその表情は逞しさを増し、チームの中心としてのオーラが漂っている。裏を返せば、それだけ彼の背中にのしかかる重圧が大きいものになっていると言える。

「(佐藤)恵允(FC東京)さんや草太さんが、明治大の10番はどんな時もピッチ内で特別な存在にならないといけないということを示してくれた。チームが苦しい時にゴールやアシストを決めて何度も窮地から救ってくれる姿を間近で見てきたからこそ、それを引き継いだ以上、自分がその存在にならないといけないと思っています」
 
 今季、明治大の成績は10試合を戦い終えて、4勝4分け2敗の5位。結果が出ない試合が続くと、どうしても無敗優勝を遂げた昨年のチームと比べられてしまい、偉大な先輩たちが築き上げてきた『常勝軍団・明治大』の看板がより重くなっていくのは想像に難くない。

「僕はボランチですが、やっぱりチームを勝たせるためのプレーや結果は必要で、現状それができていないことを受け止めないといけないと思っています。重圧を跳ねのけて勝たせるのが4年生の仕事だと思うので、4年生として明治に何が残せるのかを、もっと考えてやらないといけないと思っています」

 プレースタイルと同じで、困難に果敢に立ち向かっていく姿勢こそ島野の武器であり、今はある意味、大きな成長を得るための試練の時と言っていい。

 そのなかで、リカルド・ロドリゲス監督が打ち出すボール保持型の攻撃的なサッカーを駆使し、J1で2位につける好調な柏内定の発表は、より大きな重圧がのしかかることになる。

 だが、「成績もそうですし、細谷(真大)さんや熊坂(光希)さんが日本代表に選出されるなど、大きな注目を浴びているクラブに入るので、そこは覚悟を決めています」と、島野にとってはむしろ待ち望んだ重圧でもあった。

「レイソルは自分にはないものがすべて詰まっているクラブだと感じたので決めました。リカルド監督の戦術は本当に緻密で、中央の選手に求めることが高度。監督の要求に応えながら、プラスアルファで自分の特長を出していけば、きっと誰にも負けない存在になれると思えたんです」

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 状況に応じて可変するビルドアップや、攻撃時の立ち位置の細かい修正の連続など、多くのタスクが求められるリカルドサッカー。そのサッカーへの順応は島野にとって大きな挑戦であり、アジャストできた時に、見える世界がより大きく広がるはずの魅力的なものであった。

「僕には世界に行くという大きな目標があるので、そこから逆算して考えた時に、リカルド監督のサッカーをしっかりと学んで体現できるようになってから行くべきだと思いました。自分としては、これまでやってきたサッカーと違うサッカーになるので、最初は苦労というか、いろんな壁にぶち当たると思いますが、それを楽しみながら挑戦していきたいと強く思っています」

 そう言い放つ表情はさらに逞しくなっていた。ただ、最後だけ少しあどけない笑顔を見せてくれた。それはホームスタジアムとなる三協フロンテア柏スタジアムについて聞いた時だった。

「個人的に観客が近いのは嬉しくて、日立台は(大学サッカーの聖地である)西が丘よりも近い。鹿島アントラーズとのリーグ戦を1試合、スタジアムで観させていただいたのですが、距離が近いだけではなく、サポーターの皆さんの応援がものすごく熱くて、スタジアム全体にファミリー感がすごくあっていいなと思いました」
 
 重圧や困難を心から楽しむ。挑戦をすることで、プレッシャーをやりがいに変えていく島野のメンタリティは、自身が持つポテンシャルをさらに広げている。

「紫紺の心臓」から「燦然と輝く太陽」となり、世界へ羽ばたいていく姿に想いを馳せて――。大学ナンバーワンボランチ・島野怜への期待は、より大きく膨らんでいく。

取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)

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