ボルシア・ドルトムントの練習に合流し、いよいよ2018−19シーズンに向けて本格始動した香川真司。ルシアン・ファーブル新監督にコンディションの良さをアピールし、トップ下の定位置を確保したいところだ。
 
 かたや気になるのが、トルコの強豪ベジクタシュからの強い関心で、いまだトルコの国内メディアでは連日のごとく香川獲得の可能性が論じられている。なぜそこまでベジクタシュは日本代表の10番にこだわるのだろうか。その真相の一端を突き止めたのが、全国紙『Haber Turk』である。クラブのフィクレット・オルマン会長の興味深いコメントを紹介した。
 
 ベジクタシュがトップ下の新レギュラーを物色しているのは事実だ。昨シーズンに活躍したタリスカの買い取りに失敗し、ブラジル代表MFは所属元のベンフィカに戻ってしまった。香川はベルギー代表MFナセル・シャドリ(WBA)とともにベジクタシュが今夏に狙う2大ターゲットであり続けている。
 
 その一方で『Haber Turk』は、ベジクタシュが最近になって押し進めている東アジアの市場開拓も密接に絡んでいると説明する。クラブは今夏もサマーキャンプを中国で実施するなど、同地域での知名度を上げて新規ビジネスを創出しようと躍起なのだ。香川は東アジアのサッカーファンなら誰もが知る有名人であり、ワールドカップで再度価値を高めただけに、白羽の矢が立ったのは当然だと見ている。

 
 そして、オルマン会長だ。口癖のように「世界中のベジクタシュ・サポーターを1億人にするのが目標だ」と話しているクラブトップは、同紙にこんなコメントを寄せている。
 
「今年の上半期にガラタサライで起こったことは大きなヒントになった。ユウト・ナガトモ(長友佑都)だ。彼の移籍がとても重要なパートを占めたのは疑いようがない。日本人らしい真面目な性格の持ち主であるナガトモは、すぐさま環境に適合し、誰からも愛された。わたしはカガワが同じような効果を生み出すと期待しているし、東アジア、とりわけ日本での足場を固めたい我々にとって良き架け橋になってくれると信じている」
 
 昨シーズンの後半戦、長友フィーバーはガラタサライのみならずトルコ全土に広がった。ガラタサライの知名度は日本国内で格段に上がり、彼のSNSなどを通じてアジア全域に広まっただろう。同じイスタンブールに本拠地を置くライバルのベジクタシュが“二番煎じ”を狙ったとしても、なんら不思議ではない。
 
 いずれにせよ、ベジクタシュは本気だ。現時点で移籍実現の可能性はきわめて低いと見られているが、ファーブル政権における香川の立ち位置次第では、急転直下の展開も起こり得るか。