なでしこリーグの勢力図は変わらずも… 日テレ、INACの2強の牙城に迫る新鋭に注目

なでしこリーグの勢力図は変わらずも… 日テレ、INACの2強の牙城に迫る新鋭に注目


 優勝へあと1勝としていた日テレ・ベレーザは、10月27日、味の素スタジアム西競技場でのAC長野パルセイロ・レディース戦で2対1の勝利を収め、チーム史上3回目の4連覇を達成した。
 
 3連覇を置き土産に、森栄次前監督が退任。永田雅人監督が、その後を受けた。順風満帆なスタートではなかった。女子ワールドカップ・フランス大会への切符をかけたアジアカップが春先に行なわれ、これに伴う代表活動にレギュラーの多くをとられると、チーム作りは遅れた。さらに中心と計算していた、3年連続リーグMVP・阪口夢穂の長期離脱という大誤算も起き、第4節までは2勝1敗1分け。日テレとしては低調なスタートと言える。
 
「シーズンの最初は『広げる』『相手を見る』ということを強調しました。対戦相手と自分たちを意識して、どこが有利で、どこが不利ということを判断しながらプレーする。それだけで『いっぱいいっぱい』だったと思うんです」と永田監督(日テレ)。代表選手がいない間も、残された選手にイメージを落とし込んだことが、逆襲の伏線になった。
 
「普段の練習から、選手一人ひとりの意識が本当に高い」(長谷川唯)というのは、ベレーザの強み。大ベテランの岩清水梓を筆頭に、若手が永田監督の目指すサッカーをいち早くマスターし、アジアカップ明けの頃には、代表組をあおるほどに仕上がっていた。代表組も優先事項を把握し、エース・田中美南にゴールが生まれた5節の浦和レッズレディース戦で手応えを掴むと、7節から連勝ロードに入る。最後は、他チームの星の潰し合いを眺めながら、独走態勢に入っていった。
 
 2位を確定させているのも、ここ数年、日テレとともに、なでしこリーグをけん引してきたINAC神戸レオネッサだった。こちらも、体制変更があったが、鈴木俊新監督のもと、中島依美、岩渕真奈らタレントの特徴をチームに落とし込み、乗り切った。
 
 リーグカップ決勝では、守備重視の戦術で惜敗。
「引いた状態でのやられ方を学べたので、今度は最終ラインを高く保って、相手をゴールから遠ざけてサッカーをしようとした」(鈴木監督)。約5,000人の観客を前に、日テレの優勝を足踏みさせるなど、最後まで意地を見せた。
 
「リーグカップでは『引いて守ろう』という形だったので、比較にはならないかもしれませんが、個人的には、今日(16節)のやり方のほうがいいと思うし、結果も(敗戦から)引き分けということで価値があると思います」(岩渕)と、選手も自信を深めている。皇后杯では、ここ10大会で6回優勝と日テレ(4回)以上の成績を収めており、来季と言わず、今冬にも逆転してみせたい。
 2強にワンツー・フィニッシュを許す形になったなでしこリーグだが、今後に期待を持たせる新鋭がノジマステラ神奈川相模原だ。2012年にチームが創設され、2部(チャレンジ、なでしこ2部トータル)で4位→3位→2位→1位。1部初年度の昨季が8位で、今季は7位以上を確定させている(10月27日(土)現在3位)。リーグ戦の対前年成績が一度も後退したことがない、安定成長株である。
 
ノジマの菅野将晃監督は、東京電力女子サッカー部マリーゼ(休部中)でも指揮を執り、若い選手の才能を伸ばし、日テレに迫ろうとしていた。東日本大震災に、その機会を奪われた形だったが、その後に立ち上げたノジマで、頂点を視認する位置まで再び登ってきた。國武愛美を筆頭に、伸び盛りの選手が多く、昨冬の皇后杯でも準優勝している。次年度以降もプラス成長を続けられるのか、目が離せない。
 
取材・文●西森 彰(フリーライター)


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