「もっとシュート撃てよ!」ノルウェー戦2発のなでしこ岩渕真奈がピッチ内外で示した存在感

「もっとシュート撃てよ!」ノルウェー戦2発のなでしこ岩渕真奈がピッチ内外で示した存在感


 なでしこジャパンの高倉麻子監督が「2018年を締めくくる試合」と位置付けたノルウェー戦。岩渕真奈(INAC神戸レオネッサ)は、持ち前の攻撃力を遺憾なく発揮して2得点。最高の結果で、2018年の代表活動を締めくくった。
 
「今年1年を振り返ったら、最初はそれほどいいスタートではありませんでしたが、アジアカップ、アジア大会と優勝することができて、自信を持てるようになってきました」と岩渕。
 
 年頭まで、なでしこジャパンにまとわりついていたネガティブな空気が、一気にポジティブな方向へ変わったのは、4月に行なわれた女子アジアカップ。厳しい気象条件下、女子ワールドカップ本大会出場権を賭けた戦いで、岩渕は、しばしばダイアゴナルな走りでボールを引き出し、これを粘り強くキープすることで、チームを救った。
 
 ゴールをお膳立てすることよりも、自らゴールを奪うことに喜びを見出すFWが、得点以外に日頃から心掛けているのが、後方からつながれたボールを、自分のところで、きちんと収めること。これは、所属するINAC神戸レオネッサでも同様で、ボールを動かす中で劣勢に陥ると、自分の身体をゴールから遠ざけ、サイドに流れて味方にパスコースを提供している。
 
 それだけに、「今日はあまり(ボールが)収まりませんでしたが、FWなので、(ボールを)収めなければいけないと思っています」と言う。4-1の大勝にも浮かれた様子はない。
 
 この日は、まず、得意のドリブルでノルウェーを幻惑した。試合開始から15分、ゴール正面に切り込んでいくと、相手ディフェンダーがたまらずファウル。コンビを組む横山久美(AC長野パルセイロレディース)に、得意の角度からのフリーキックをプレゼント。その先制ゴールをお膳立てした。
 
「ノルウェーがあんまり(良い出来ではなかった)というのが私個人としての印象で『自分たちが良かったか』と言われれば『良かった』と言えなかった試合。前半のミスを減らすことも含めて『もっともっと、チームとしてやらなければいけない部分が多いな』というのがこの試合の印象です」
 
 それでも、林立する相手DFの中に走り込んで決めた自身の1点目は、この日のノルウェーでなくても、防ぐのは簡単でない。その前段としてあった、鮫島彩(I神戸)のオーバーラップを交えた崩しで、敵陣が混乱していたことも影響した。とは言え、長谷川唯(日テレ・ベレーザ)から出たピンポイントのパスを、正確なファーストタッチでコントロールし、しっかりシュートを枠に飛ばしたのは、さすがだ。
 
「ボールを失いそうになった部分で、唯(長谷川)が入れ替わってボールを奪って、いいボールを出してくれたので、それをうまく決めることができたので良かったです」(岩渕)
 
 さらに、岩渕と交代の準備を済ませた籾木結花(日テレ)が、姿を見せた55分。I神戸の僚友・中島依美がタッチラインギリギリから折り返したグラウンダーのボールを、左足で簡単に流し込んで、追加点。自らの力で、試合を決してから、ピッチを退いた。
 今回の合宿では、4名のU-20女子ワールドカップ優勝メンバーが招集されていた。「ある程度の選手は使いたいなという思いはありましたが、試合の流れが厳しいものになったら、なかなか使えないなと思っていました」と高倉監督。岩渕らの活躍で点差が開いたこともあり、指揮官は6名の交代カードを切った。その中には、ヤングなでしこから合流した長野風花(仁川現代製鉄レッドエンジェルズ)、宮澤ひなた(日テレ)の姿もあった。
 
 岩渕自身も、16歳という若さで代表デビューを果たしている(2010年2月の中国戦・東アジア女子サッカー選手権決勝大会)。年齢的には中堅だが、代表デビューの早さでは、ベテランの域に達している。長野や宮澤のような若手を成功に導く経験、言葉は、豊富に持ち合わせているはずだ。
 
「ひなた(宮澤)に関してはドリブラーで、サイドの攻撃の選手として、ベレーザと戦う時には『嫌だな』と思っている選手のひとりだったので、凄い気にかけてはいたし、練習でも一緒にやっていて『楽しいな』というイメージは持てていました。今日は一緒にピッチへ立つことはできませんでしたが、試合が終わった後に『もっとシュート撃てよ!』とか『仕掛けろよ!』とか(笑)。まあ、自分も先輩たちに、そう言ってもらって来たので」
 
 そして、これから世界で戦う上では、年齢に関係なく、なでしこジャパンの選手全員が光るものを出す必要があると語る。
 
「(若手の)彼女たちの良さをもっと自分たちが引き出せるようにしなくてはいけないというのはもちろんですけれども、ふたりだけじゃなく『若手』とか『年寄り』とか関係なく、全員が光ればもっといいチームになると思いますので、そこを求めていきたいです」
 
取材・文●西森 彰(フリーライター)
 


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