気分が滅入る。ネガティブになる。そんな感情にならないと言えば、嘘になる。ただ、それもほんの一瞬だけ。すぐに気持ちが切り替わる。次、どうするか――。

 厳しい戦いが続いている。J2初参戦のSC相模原は14試合を消化した時点で、2勝5分7敗の勝点11で最下位に沈んでいる。5月に入ってからは1分3敗と白星なし。停滞期からなかなか脱せずにいる。

 チームを率いる三浦文丈監督は、相応のプレッシャーを感じているのではないか。ある日の練習後、現在の心境について訊けば、指揮官はその表情をグッと引き締めた。

「もうね、次どうするかということしか考えていない。目の前の試合に向けて、どうやって戦うかを常に考えている。“ヤバいな、このままじゃ”とか、そうはなっていない。勝点3、最低でも1を取るためには何がベストか、どういう組み合わせがいいのか、チームをどう持っていこうか。今もそればっかりを考えている」

 簡単なシーズンにはならないだろうと、ある程度は予想していた。もちろん、下位に低迷する現状を受け入れているわけではないが、覚悟はしていた。だからこそ、良い意味で動じていない。腹が据わっている。結果に一喜一憂せず、どんな事態でも「次、次って考えられるようになっている」。

 これまで指導者として積み上げてきたものがある。アビスパ福岡でのコーチ時代にはJ1昇格を経験した。アルビレックス新潟を率いていた時は思うように勝てず、大きな重圧と戦った。J3のAC長野パルセイロの監督時代には3位という好成績を収めた。

「打たれ強くはなっていると思う。場数は踏んできたつもりだから」

 なによりも、相模原では就任2年目でクラブ初のJ2昇格へと導いた。「もちろん、周りの力、みんなの支え、選手たちの頑張りがあったからこそ」だが、「自分の中でも自信にはなった」のは間違いない。
 
「チームは生き物。こういうふうにやっていったら、こう動いていくとか、なんとなく自分の中で見つけた気もする」

 結果は出ていなくても、ここは動かずに辛抱してやり抜くか。何かしらの変化を加えるとしたら、どのタイミングか。微調整を施して、うまく回っていけばさらなる一手をどう打つか。成果が得られなければ次善策をどうするか。

 チームの機微を見逃さず、思考を巡らせ、試合への準備を進める。それしかないし、それがすべてで、自らのやるべきことに専心する。

 次節は5月27日、ホームに愛媛FCを迎える。相手の順位は相模原のひとつ上の21位。勝点は同じ11。シーズンを占ううえで非常に重要な一戦と言えるだろう。同22日にはクラブとして初めて出場した天皇杯で、駒澤大に3-1で勝利し、2回戦に駒を進めている。その勢いも持って、久々の勝点3を掴みたい。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェストweb編集部)

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