U-24日本代表のジャマイカ代表戦は、4対0で日本が快勝したね。相手はA代表だけど、日本はシュートを1本に抑えてほとんどワンサイドゲームのような形で勝利を収めた。

 いろんなメディアが東京五輪の最終サバイバルだと、このジャマイカ戦を煽ったけど、1週間前にシュート0本に抑えて勝ったガーナ戦も含めて、何かを選考したり、判断したりする基準や参考にできたのかと、疑ってしまいたくなる試合だった。

 相手の所属を見ても、「へー、世界にはそんなチームがあるんだ」というところばかりで、まず間違いなく強化という点ではなんの意味も持たなかった。正直、わざわざ来てくれたジャマイカには悪いけど、A代表は3日に試合やらなくて良かったよ。U-24と戦って、五輪に向けて危機感を持たせてくれたという意味では、よほど意味があった。

 だったら、わざわざこのコロナ禍に海外からレベルの低いチームを呼んで試合をやる意味がどこにあったんだ? 仮想南アフリカ? 仮想メキシコ? 五輪本番でこのレベルは、ありえないでしょ。3試合ともA代表と戦った方が、断然強化試合としては有意義だったと思うし、3連戦の最初のA代表との試合で判断されてしまった選手たちは不公平だよ。あの試合はだいたい当落線上の選手がスタメンで出ていたからね。
 
 僕が知る限りでは、この世代が五輪レベルのチームと試合をやったのは、2019年11月のコロンビア戦と今年3月のアルゼンチンとの2試合だけ。アルゼンチンとの2戦目には勝利したけど、あとの2戦目は世界との差を見せつけられる内容だった。こういった試合こそが強化試合だよ。

 中盤で余裕を持ってパスがポンポン繋がって、フィニッシュの練習みたいになっても世界との距離なんか見えてこない。オーバーエイジで吉田が入って何か変わった? 今回のガーナやジャマイカは吉田じゃなくても止められるよ。GKなんてこの2試合で何も仕事がなかった。A代表の試合で先発した大迫がかわいそうだよ。

 この6月はA代表も含めて、レベルの低い相手とばかり試合をやっている。コロナ禍のせいばかりとも言い切れないよ。ヨーロッパが毎年シーズンオフに入る6月に日本でやる親善試合でベストに近いメンバーで来るチームはそうそうなかったからね。A代表とU-24の対戦というアイデア自体は悪くなかったんだから、強化のためにもっといろんな可能性を探ってみるべきじゃないかな。
 
 選手選考のことはさておき、6月の強化試合が低レベルに終わってしまい、どうやら五輪はぶっつけ本番的な感じで挑むことになりそうだね。ぶっつけ本番というのは、前にも述べた通り、今回の試合がまったくシミュレーションになっていないから。これで南アフリカやメキシコに対して準備ができたと思っている人はいるのかな?

 しかし、どんな準備で臨むとはいえ、オリンピックは参加するだけでは何も意味がないイベントだ。メディアは勝った競技しか取り上げてくれないから。自国開催だから、競技への影響力も大きいのは間違いない。そのへんは協会もよく知っているはずで、オーバーエイジにA代表の主力をいち早く持ってくるなんてことは今までの大会でまずなかったこと。ただ金メダルを目標にする割には、強化試合の相手はいまひとつだったけどね。
 
 それでも、日本サッカーにスポーツ界を代表するようなスターがこの大会を通じて出てくれば喜ばしいことだ。それには、勝つしかない。このコロナ禍や、ユーロやコパ・アメリカも同時期に開催されて、どんなレベルの大会になるか分からない中、U-24世代とOAを含めたベストメンバーで臨めるのはプラス材料だ。選手たちには頑張ってほしいね。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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