日本代表の左サイドバック、長友佑都の後継者になりえる選手はいるのか。

 長友本人が今もトップレベルにある以上、基本的には大きな問題はない。でも、次世代を考えれば後継者が出てこなければいけないし、長友に不測の事態があった場合、彼と同じくらいのパフォーマンスを示す人材がいなければ、チーム力は一気に落ちる。

 酒井宏樹がレギュラーを張る右サイドバックは、底上げが進んでいる。ドイツで研鑽を積む室屋成が着実に力を付けてきているし、フロンターレの山根視来はそこに割って入るだけの資格があることを証明しているよね。

 でも、左はどうか――。“ポスト長友”は森保ジャパンのひとつの課題だと思うけど、正直に言えば、計5試合が組まれた5・6月シリーズでも、同時期に活動していたU-24代表にも、“正解”が見つからなかった。

 佐々木翔、小川諒也、中山雄太、旗手怜央、古賀太陽……。みんな良い選手だし、代表に名を連ねてしかるべき実力者だと思う。それでも決め手に欠けるというか、長友の座を脅かすだけのインパクトを残せたかというと、疑問符が付く。

 守備面はある程度、計算できる。チームのコンセプトを守りながら、組織的かつ堅実にプレーできている。でも攻撃面がどうしても物足りなく映る。今、欧州各地で開催されているEUROと見比べても、その思いはより一層、強くなる。

 ハードな守備は当たり前として、前に出て行く時のスピードや、サイドを抉る時の力強さ。敵陣に入ってから、どれだけ強烈な何かを見せられるか。
 
 攻撃センスに溢れて、理想は左利き。その条件で言えば、レッズの山中亮輔は面白いんじゃないかな。スピードがあって、左足のキックはパンチがあるし、クロスも鋭い。カットインしてからのミドルもある。

 懸念は、ビルドアップや守備時に、時折集中力を欠いたプレーが見られること。やっぱりサイドバックはDFだし、自陣でのミスが少なくないと、監督としては使いづらいと思う。守備の安定感を高められれば、山中の代表復帰は十分ありえるはず。

 クロスやオーバーラップで言えば、小川も良いものを持っているよね。これから国際舞台をさらに積んでいけば、一気に化けるかもしれない。

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 鳥栖の中野伸哉も将来的には楽しみなひとり。攻守両面で身に付けるべきことはたくさんあるけど、世代別代表の常連だから海外での戦いに慣れているだろうし、今後はどういう環境で自分を伸ばしていくかが重要になってくるだろう。

 攻撃面にフォーカスして考えてみたけど、長友の後継者探しはいったん脇に置いて、別のアプローチとして、左サイドはより守備を重視するのもありなんじゃないかと思う。そこで浮かび上がってくるのが、佐々木。あの1対1の強さは魅力的で、世界でもタフに戦えるはず。
 
 右サイドが充実しているなら、攻撃は“右肩上がり”にして、後ろは3バック気味で構える。佐々木はストッパーでも計算できるタイプだから、可変式システムに対応できる。なによりも高さがあるから、セットプレーで得点源になれる。実際、この前のキルギス戦でもCKからヘッドで決めているし、ある意味、攻撃力があると言える。

 9月の最終予選まで、あと約3か月。その頃には、新たな候補者が出ているかもしれないし、厳しい最終予選を通じて答えが見つかるかもしれない。強力なライバルが出てくれば、長友も負けまいとさらに奮起するに違いない。結果、日本の左サイドの戦力値は上がる。そういう展開を期待したいね。

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