テニス女子世界ランク2位の大坂なおみは、全仏オープンを棄権し、全英オープンを欠場した。リオデジャネイロ五輪で4冠を達成した体操女子アメリカ代表のシモーン・バイルスは、東京五輪の個人総合決勝を棄権した。

 彼女たちだけではない。アスリートのメンタルヘルスの問題は、スポーツ界が改善に向けて取り組むべき重要な課題だ。無論、サッカー界も例外ではない。先月まで開催されていたEURO2020で準優勝したイングランド代表の選手も、心の問題で苦しんでいた。

 負傷欠場したハリー・マグワイアの代役として、EURO2020開幕から2試合で先発出場したタイロン・ミングスは、英紙『The Sun』で「クロアチアとの初戦までは厳しい時間だった」と振り返っている。
 
「今の自分は外部からの影響にもっと強くなれていると思うが、メンタルヘルスの面では急激に落ち込んだ。それを認めることを恥じない。あの試合までは自分に関して知られていないことがたくさんあったからだ。おそらく自分はチームで唯一、周囲から『ここは確実じゃない』と思われた存在だった。僕はそれを乗り越えなければいけなかった。

 国民の90〜95%が自分を疑えば、考えるのを止めるのは難しい。だから精神科医とかなり取り組んだ。たくさんの対処法を教わったよ。呼吸法とか、瞑想とか、今その瞬間への自分の持って行き方とか。潜在意識に支配されないためにね。つらかったよ。本当に開幕戦の前はあまりよく眠れなかった」

 イングランド代表のレジェンドOBリオ・ファーディナンドも、開幕前はミングスを「チーム最大の弱点」と評していた。だが、ミングスは大会後にファーディナンドからDMで称賛の言葉を貰ったと明かしている。

 さらにミングスは、「メンタルヘルスや感じ方について話せるようになったことは素晴らしい」とも話した。計り知れない重圧に絶えずさらされるアスリートが、できるだけ健康な精神状態でプレーに専念できるよう、周囲の取り組みが進むのを願うばかりだ。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部

【PHOTO】海外番記者・識者が選んだ「イングランド代表のレジェンド完全格付けTOP10」を厳選ショットで振り返り!