良いマネジメントをしなければいけない。これは誰でもそう思う。

 良いチームは、良いマネジメントがされている。

 マネジメントの語源は「もがき苦しみ決めて行く」。それがマネジメントだと言うのだ。

「マネジメント」と聞くとスリムでカッコいい判断をする事のように聞こえるが、判断するために、これなのか? あれなのか? 誰なのか? どれなのか? と悩んで悩んで決断していくことなのである。

 そして良いマネジメントが勝利の道へと進んで行くのである。

 マネジメントする人間によっては、真っ暗な暗闇に迷い込んでしまう場合もある。

 もちろん悩めば良いという意味ではないが、マネジメントする側が軽率に自分のことしか考えないで何かを判断、決断するようなことがあれば良いチーム、グループ、世の中にはならない。

 よく「ブレている」とか「ブレる」と言うが、一貫した自分の考えとブレている人を比較してブレている人を否定する浅はかな人がいるが、深く考え決定しようとすれば、沢山の考え方がある中で何かを決めなければいけない。

 僕の世界、現場の監督であっても、マネジメントが一番の仕事であり、鍵を握る。監督がマネジメントを間違えば、なかなか勝ち(価値)はついてこない。

 会社の社長も学校の先生も国を支えるリーダーも上に立つ人間がもがき苦しみ悩み苦しみ決断していく。ブレているように見えていないことは、心配なことでもある。

 マネジメントというのは、そういうことなのだ。間違っていることをブレないでマネジメントし続けることの方が怖いことだ。

 サッカーで例えれば、監督にもたくさんのマネジメントすべきことがある。

 一番は選手をマネジメントすることだ。レギュラー選手だけではなく、サブからベンチ外の選手まで……。元気な選手から怪我人まで、若い選手からベテラン選手まで。

 それだけ聞いてもマネジメントが簡単でないことは分かってもらえるだろう。

 そして選手以外にもメディアやマスコミ。時にはファン・サポーターや市民を、ある意味でマネジメントしなければいけない時もあるだろう。

 経営陣や会社、フロントの人たちもマネジメントしなければならない。人だけではなく環境や用具などもマネジメントする。スケジュールマネジメントなどもある。
 
 クラブ(チーム)をどうマネジメントしていくかは勝敗に繋がるのである。これはきっとサッカーの監督だけではなく、全ての業種のリーダーに相通ずるものだと思う。

 そして国を預かる総理大臣にも同じことが言えるのでは。

 近々、総選挙により国が再び動き出すのであろうが、日本国をマネジメントする(少し表現がちがうかもしれないが……)のは本当に難しいことだろう。

 悩み、苦しみ、試行錯誤し、ひとつの決断を慎重にしていくのであろう。

 それはブレにも見えるであろう。逆にそうでなければ困るのである。僕だったら良い政治が出来ますと簡単に言われても信用できる訳がない。

 やはり、たくさんのことを背負って責任と覚悟を決めた人間がマネジメントしていく。

 これが目指すべき姿だと思う。

 本気で戦っているのか? これで終わりだと思ってステージ(サッカーで言えば試合)に立っているのか?

 マネジメント力――。これは大切な能力だ。
 
 日本はカタール・ワールドカップ予選を1勝2敗・勝点3でホームでのオーストラリア戦を迎え、見事に勝利した。内容も結果も良い試合だったと思う。

 1-1のまま引き分けで終わっていたとしても内容は良かった。しかし人は結果が付いてこないと内容さえも悪くしてしまう。

 そうなると結果から逆算して内容を決めることになる。その2つとも、獲得したオーストラリア戦は次に繋がる試合になるであろう。

 しかしこの内容と結果が、次も取れると決まった訳ではない。そこでチームをどうマネジメントしていくかが大事になる。

 負けられない状況で内容のあるサッカーが出来た。その要因として挙げられるのは、人を変え、システムを変え、采配を変え、気持ちを変えたという点だ。

 まさしくマネジメント力だ。ブレたのではない。マネジメントしたのだ。
 
 オーストラリアの試合は過去の試合として、データとして残った。ただ、ベトナムに勝って日本と同勝点となったオマーンに得失点差で下回り、勝っても順位は下がった。

 しかし内容と結果を獲得できた。順位は下がったが、自信は向上したはずだ。

 新しい試合はまた違う。まだまだ続く最終予選。

 自分も良いマネジメントが出来るよう、これからも悩み、苦しみ、数多くの決断をしていきたい。

2021年10月16日
三浦泰年