ジローナは4日に行われたラ・リーガ第34節バルセロナ戦を4−2で制した。この結果、バルセロナをかわして2位に浮上するとともに、今季を4位以内の順位で終えることが確定。来季のチャンピオンズリーグ(CL)出場権を獲得した。


 試合は立ち上がりの3分、バルセロナのデンマーク代表DFアンドレアス・クリステンセンに見事なボレーシュートを叩き込まれたものの、この失点後のキックオフから左サイドを攻略し、最後はウクライナ代表FWアルテム・ドフビクがヘディングを叩き込んで、即座に試合を振り出しに戻す。前半アディショナルタイムにはPKで失点したが、後半に入るとジローナが本拠地『エスタディ・モンティリビ』に駆けつけたファン・サポーターの声援を背に反撃を始めた。


 まずは65分、相手のバックパスが乱れた隙を見逃さなかったドフビクが、冷静な切り返しで横へ繋ぎ、直前にピッチに送り出されたばかりのスペイン人FWポルトゥが同点ゴールを奪う。直後の67分には、スペイン代表MFアレイクス・ガルシアからのスルーパスで右サイドを破ったポルトゥがマイナスへ折り返し、U−23スペイン代表DFミゲル・グティエレスが右足でねじ込んだ。74分にはポルトゥがボックス右角の位置からダイレクトボレーを突き刺し、目の覚めるような“ゴラッソ”で勝利を決定付ける。試合はこのまま4−2で終了し、ジローナがバルセロナとの2位3位直接対決を制した。


 この勝利により、ジローナは今季のラ・リーガ4試合を残して、4位以内でのフィニッシュが確定。1930年のクラブ創設から、史上初となる欧州カップ戦、さらには最高峰の舞台にあたるCLに出場する権利を獲得した。


 なお、データサイト『Opta』によると、ジローナはラ・リーガのなかで、CL出場権を獲得したことのある14番目のクラブになったという。これは大会の名称が「チャンピオンズリーグ」となった1992−1993シーズン以降が対象で、これまでにラ・リーガのクラブでCL出場経験があるのはレアル・マドリード、バルセロナ、アトレティコ・マドリード、バレンシア、セビージャ、ベティス、レアル・ソシエダ、アスレティック・ビルバオ、ビジャレアル、セルタ、マジョルカ、マラガ、デポルティーボの13クラブだった。この並びからもわかるように、カタルーニャ州最大のビッグクラブであるバルセロナを除くと、同州に本拠地を構えるクラブとしては初のCL出場となる。


 また、ジローナは昨年12月に行われた第16節でも、バルセロナを4−2で破っていた。今節は当時の再現となるスコアでバルセロナを撃破。『Opta』によると、21世紀に突入してからのラ・リーガにおいて、同一シーズンの2試合それぞれでバルセロナ相手に4ゴール以上を奪ったのは、今季のジローナが初となったようだ。これまでは1929−30シーズンのレアル・マドリード、同シーズンのエスパニョール、1940−41シーズンのアトレティコ・マドリード、1941−42シーズンのバレンシア、1997−98シーズンのサラマンカ(※2013年6月に消滅)が、同一シーズンのラ・リーガ2試合でともにバルセロナ相手に4得点以上を記録していた。


 今季“台風の目”となったジローナは、カタルーニャ州北東部の基礎自治体を代表するサッカークラブだ。1930年の創設以降はほとんどの時期を下部リーグで過ごしており、セグンダ(2部)に身を置いたシーズンも決して多いわけではない。1990年代後半から2000年代初頭にかけてはテルセーラ(当時4部)とセグンダB(当時3部)を行き来するクラブだった。2017−18シーズンに創設87年目でクラブ史上初のプリメーラ(1部)に参戦するも、その挑戦はわずか2シーズンで幕を閉じる。2019−20シーズンからの3年間はセグンダでの戦いを強いられ、2度目の昇格を果たした昨季は10位で終えていた。なお、2017年8月からはシティ・フットボール・グループ(CFG)の保有クラブとなっている。


 クラブの歴史に名を刻むような、栄光のシーズンを過ごしているジローナ。レアル・マドリードのラ・リーガ制覇が決まった今、残る4試合での目標は来季のスーペルコパ・デ・エスパーニャの出場権獲得だろう。4戦全勝を目指し、1部在籍通算4年目となるシーズンの最終盤を戦い抜く。



【ハイライト動画】ジローナ、昨年12月の“再現”でバルサ相手に4ゴール!