ジローナは4日に行われたラ・リーガ第34節バルセロナ戦を4−2で制し、来季のチャンピオンズリーグ(CL)出場権を獲得した。試合後、スペインメディア『マルカ』が、ジローナを率いるミチェル監督の喜びの声を伝えている。


 バルセロナとの一戦では、立ち上がりの3分にデンマーク代表DFアンドレアス・クリステンセンに見事なボレーシュートを叩き込まれ、早くも1点ビハインドに。だが、この失点後のキックオフから左サイドを攻略すると、最後はウクライナ代表FWアルテム・ドフビクがヘディングを叩き込み、即座に試合を振り出しに戻した。前半アディショナルタイムにはPKで再び失点したが、後半に入るとジローナが本拠地『エスタディ・モンティリビ』に歓喜をもたらす。


 まずは65分、相手のバックパスが乱れた隙を見逃さなかったドフビクが、冷静な切り返しで横へ繋ぎ、直前にピッチに送り出されたばかりのスペイン人FWポルトゥが同点ゴールを奪う。直後の67分には、右サイドを破ったポルトゥがマイナスへ折り返し、U−23スペイン代表DFミゲル・グティエレスが右足で逆転ゴールをねじ込んだ。74分にはポルトゥがボックス右角の位置からダイレクトボレーを突き刺し、目の覚めるような“ゴラッソ”で勝利を決定付ける。試合はこのまま4−2で終了し、ジローナがバルセロナとの2位と3位の直接対決を制した。


 この勝利により、ジローナは今季のラ・リーガ4試合を残して、4位以内でのフィニッシュが確定。1930年のクラブ創設以降、史上初となる欧州カップ戦、さらには最高峰の舞台にあたるCLに出場する権利を獲得した。


 試合後、ミチェル監督はクラブ史上初のCL出場権獲得を受けて「素晴らしいことだよ。みんなにはこの瞬間を楽しんでほしい」とコメント。「信じられないよ。我々が積み上げた勝ち点は『74』だ。選手たちが成し遂げたことにはつくづく驚かされるね。本当に価値のある、大きな仕事を成し遂げた」と喜びを露わにした。


 現在、ジローナはシティ・フットボール・グループ保有クラブとして、一貫した哲学を持ちながら驚くべき成長を遂げている。クラブが掲げるプロジェクトに共感したミチェル監督は「このプロジェクトは素晴らしいものさ。我々は冷静に、そして時には厳しく、成長を望む選手たちとともに仕事をしている。だからこそ、セグンダからCLに進出するようなクラブになった」と強調すると、「今のチームは間違いなくそれに値する」と語った。


 この勝利により、ジローナが今季獲得した勝ち点は「74」に到達。「驚異的な数字で、このレベルに達しているチームはほとんどない」と良い意味での驚きを明かしたミチェル監督は、「CL出場を決めただけでなく、バルサを破り、順位表でも彼らより上にいる。日々の生活は素晴らしく、プロとしても人間としても、あらゆる面でトップレベルを目指したからこそ今があるんだ」と誇った。


 また、ミチェル監督はバルセロナとの一戦を振り返って「スコアが2−2となった後、我々は解き放たれた」と話し、「選手たちが見せたパフォーマンスには満足しているよ。60分頃までは、バルサの方が良かったと思う。我々もアグレッシブだったが、何かが欠けていた。しかし、ポルトゥのゴールの後、チームは素晴らしいレベルで、信じられないような20分間を過ごした」と主張。65分にポルトゥが挙げた得点が試合の流れを変え、最後にポルトゥが決めた“ゴラッソ”はチームの姿勢を現していると述べた。


「ポルトゥのゴールはラ・リーガでも最高のゴールだ。あのようなゴールがCLへの出場を決めたことが、このクラブのあり方を反映している。彼が自分で想像し、ピッチ上で体現したゴールなのだから」


 CLでの戦いが迫り、ミチェル監督は「私個人としてはリヴァプールと対戦し、『アンフィールド』(リヴァプールの本拠地)の雰囲気を体感してみたい。ドルトムントのホーム(※『ジグナル・イドゥナ・パルク』)でサポーターによって作られる“壁”も見てみたいよ」と率直な気持ちを明かしただけでなく、「できるならば、今後もクラブが誇れるような相手との試合を実現させたい。みんなには、そんな歴史的な瞬間を楽しんでもらいたいんだ」と続け、“ビッグクラブ”との対戦を心待ちにした。


 今季の残りは4試合。2位以内で終えるとスーペルコパ・デ・エスパーニャの出場権を獲得するが、CLの戦いも含めて来季はクラブとしても体感したことがないようなシーズンになると予想される。ミチェル監督は「私たちの前には挑戦が待ち受けているが、歴史的で信じられないようなこの挑戦を楽しまなければならない」と意気込んだだけでなく、「選手たちはジローナの歴史を作った。まずはそこに誇りを持って欲しい」と、まずは今季の功績を称えた。



【ハイライト動画】ジローナ、昨年12月の“再現”でバルサ相手に4ゴール!