浦和レッズは18日、ルーヴェンへ期限付き移籍していたMF明本考浩の契約が、完全移籍へ切り替わることを発表した。完全移籍については、2024年7月1日からスタートする。


 明本は1998年1月31日生まれの現在26歳。栃木県の出身で、栃木SCのジュニア、ジュニアユース、ユースと歩を進め、高校卒業後は国士舘大学へ進学。大学4年次の2019年7月にはイタリア・ナポリで開催された第30回ユニバーシアード競技大会のメンバーにも名を連ね、“日の丸”を背負って優勝を経験した。2020年より育成組織時代を過ごした古巣の栃木へ入団。ルーキーイヤーから主力に定着し、同シーズンの明治安田J2リーグでは40試合の出場で7ゴールを挙げた。


 栃木での活躍が高く評価され、シーズン終了後には浦和への完全移籍が発表。豊富な運動量、球際での強さなどを武器として、初年度から当時のリカルド・ロドリゲス監督の信頼を掴んだ。左サイドの2列目や左サイドバックを主戦場としながら、時には右サイドの2列目やサイドバック、トップ下、さらにはセンターフォワードでも起用され、そのユーティリティさを存分に発揮。加入初年度は明治安田J1リーグ全38試合中33試合に出場し、4ゴールを挙げただけでなく、天皇杯JFA第101回全日本サッカー選手権大会の優勝にも貢献した。


 2022シーズンは明治安田J1リーグで31試合出場を記録。AFCチャンピオンズリーグ(ACL)2022では、翌シーズンに開催されたアル・ヒラル(サウジアラビア)との決勝2試合を含む全11試合のピッチに立って2得点を挙げ、クラブを5シーズンぶり3度目となるACL優勝へ導いた。マチェイ・スコルジャ前監督からの信頼も厚く、2023シーズンは負傷に悩まされながらも明治安田J1リーグで25試合出場2得点を記録。2023 FIFAクラブワールドカップ サウジアラビアでも全3試合のピッチに立った。


 今年1月より、買い取りオプション付きの期限付き移籍でルーヴェンへ加入。MF三竿健斗も在籍するチームに、今季2人目の日本人選手として迎え入れられると、加入直後はベンチスタートとなる試合も少なくはなかったものの、シーズンが終盤に差し掛かるにつれて定位置を奪取。両サイドのウイングバックだけでなく、3バックの一角としても起用され、ベルギーの地でも信頼を掴んでいた。冬の加入ながら、ここまでジュピラー・プロ・リーグ(ベルギー1部リーグ)14試合のピッチに立っている。なお、現在チームはプレーオフ2の4位につけている。


 完全移籍に際し、明本は浦和を通してコメントを発表。次のように率直な心境を言葉にし、浦和への感謝を綴った。


「ルーヴェンへ完全移籍することになりました。どんな状況でも力をくれた浦和レッズに関わる全てのみなさま、本当にありがとうございました。ACLを優勝したときの熱狂、天皇杯を優勝したときの感動、体験したことがないほど胸が熱くなり、こみ上げるものがありました。3年間浦和レッズの選手として闘えたことは僕の誇りです。活躍という形で恩返しできるよう、今よりもっともっと大きな舞台で走り、覚悟をもって闘い続けます。ありがとう、浦和レッズ」



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