EURO2024・グループE第1節が17日に行われ、ルーマニア代表とウクライナ代表が対戦した。


 2大会ぶり6度目のEURO出場となるルーマニア。予選・グループIでは6勝4分無敗という成績を残し、国際舞台での実績豊富なスイス代表を抑え、首位で本大会への切符を獲得した。ベスト8進出を果たした2000年大会以来のグループステージ突破、そして本大会24年ぶりの白星を目指す。


 対するウクライナは3大会連続4度目の出場。イングランド代表、イタリア代表と同居した予選グループCで3位となり、プレーオフでボスニア・ヘルツェゴビナとアイスランドを撃破し、本大会への出場権を手にした。母国が戦禍に巻き込まれるなか、オレクサンドル・ジンチェンコやミハイロ・ムドリク、アルテム・ドフビクら実力者を擁するチームが狙うはベスト8に進出した前回大会に続くグループステージ突破、そして決勝トーナメントでの躍進だ。


 序盤はウクライナがボールを保持する展開に。守備時の4バックから可変した3バックを起点にビルドアップしつつ、ミドルブロックを形成したルーマニアDFラインの背後を狙うロングフィードも織り交ぜチャンスをうかがう。20分時点でのボール保持率は70%を記録し、ムドリクやヘオルヒー・スダコフが時折良い形で起点を作るも、ルーマニアの守備を崩し切るまでには至らず。バイタルエリアの攻略に苦戦し、決定機を作ることができない。


 対するルーマニアはカウンターやサイドからのシンプルなクロスで何度か相手ゴールに迫る。29分には前線からの積極的なプレスで相手GKアンドリー・ルニンのキックミスを誘発すると、ボックス手前中央でパスを受けたニコラエ・スタンチュが右足を一閃。狙い澄ましたシュートがゴール左上隅に突き刺さり、先制に成功した。その後も右から仕掛けたデニス・マンが際どいシュートを放ち、スタンチュの左CKが直接クロスバーを叩くなど惜しいシーンを作る。


 1点ビハインドのウクライナは右CKの流れで放たれたムドリクのボレーや、ドフビクのポストプレーからゴールに迫るも、同点ゴールを奪うことができず。前半はこのままルーマニアの1点リードで折り返した。


 後半の立ち上がりもウクライナが主導権を握り、ムドリク、スダコフ、ヴィクトル・ツィガンコフにボールを集める。しかし53分、ルーマニアがカウンター攻撃を発動すると、ラズバン・マリンが放ったミドルシュートが、GKルニンの手の下を抜けてネットに突き刺さり追加点を奪う。さらに勢いに乗るルーマニアは57分、マンが巧みなドリブルでボックス内へ侵入し、速い折り返しをデニス・ドラグシュがダイレクトで合わせ、リードを3点に広げた。


 苦しい展開となったウクライナは62分に3枚替えを敢行。65分には投入されたばかりのアンドリー・ヤルモレンコがFKのこぼれ球を広いシュートを放ったが、枠の上に外れてしまう。73分には左サイドを崩し、抜け出したヤルモレンコがグラウンダーで中央へ折り返すも、ドフビクの手前でラドゥ・ドラグシンにクリアされ、ネットを揺らすことはできない。その4分後にはスダコフがボックス手前中央からミドルシュートを放ったが、相手GKにセーブされた。


 その後もムドリクらがチャンスを迎えたウクライナだったが、最後まで追撃の1点を奪うことができず。試合は3−0で終了し、ルーマニアがEURO本大会で24年ぶりの白星を飾った。次節、ルーマニアは22日にベルギー代表と、ウクライナは21日にスロバキア代表と対戦する。


【スコア】

ルーマニア代表 3−0 ウクライナ代表


【得点者】

1−0 29分 ニコラエ・スタンチュ(ルーマニア代表)

2−0 53分 ラズバン・マリン(ルーマニア代表)

3−0 57分 デニス・ドラグシュ(ルーマニア代表)


【スターティングメンバー】

ルーマニア代表(4−1−4−1)

GK:ニツァ

DF:ラティウ、ドラグシン、ブルカ、バンク

MF:M・マリン(75分 ルス)、マン(62分 ハジ)、スタンチュ(87分 ラコヴィシャン)、R・マリン、コマン(62分 ミハイラ)

FW:ドラグシュ(75分 プスカシュ)


ウクライナ代表(4−2−3−1)

GK:ルニン

DF:コノプリャー(72分 ティムチク)、ザバルニー、マトヴィエンコ、ジンチェンコ

MF:ステパネンコ(62分 ブラツコ)、シャパレンコ(63分 ヤレムチュク)、ツィガンコフ(63分 ヤルモレンコ)、スダコフ(83分 マリノフスキー)、ムドリク

FW:ドフビク