一戦一戦、成長と悔しさを噛みしめて…ヤングなでしこ主将DF南萌華「ここで終わるわけには」

一戦一戦、成長と悔しさを噛みしめて…ヤングなでしこ主将DF南萌華「ここで終わるわけには」

 FIFA U−20女子ワールドカップフランス2018に出場中のU−20日本女子代表は、グループリーグ第2戦・U−20スペイン女子代表戦で0−1と敗れた。これにより、第2節終了時点で日本はグループCで3位となり、準々決勝進出の2位以内を懸け、中3日で迎えるU−20パラグアイ女子代表戦に臨むこととなった。


 日本はヨーロッパ予選1位のスペインに対し、第1戦から3人の先発を入れ替えた。アジア予選で正GKのGK鈴木あぐり(マイナビベガルタ仙台レディース)をゴールマウスに、チーム最年少MF遠藤純(JFAアカデミー福島)を左サイドハーフに置き、FW村岡真実(オルカ鴨川FC)がFW宝田沙織(セレッソ大阪堺レディース)と2トップを組む。


 3日前のU−20アメリカ女子代表戦の気温は27℃だったが、この日は21℃と比較的動きやすい気候条件。だが日本は16分にDF牛島理子(INAC神戸レオネッサ)とGK鈴木の連携ミスでスペインにCKを与え、こぼれ球をスペインのDFカルメン・メナヨに押し込まれて、今大会初失点を喫したのが、そのまま決勝点となった。


「スペインには個々の力があり、コンビネーション、そしてセットプレーに強い」


 日本の池田太監督の印象通り、スペインはパワーこそアメリカに劣るが、選手同士の距離感がよく、日本が放ったシュートでゴールに近かったと言えるのは3回ほどだった。


 その一方、ピンチもそれほど多かったわけではない。MF長野風花(仁川現代製鉄レッドエンジェルズ/韓国)がDFラインまで戻って何度もピンチを救い、DF高橋はな(浦和レッズレディース)のヘディングの強さは、この日も光った。しかし、2連勝でGL突破に前進したのは、スペインの方だった。


 後半アディショナルタイム2分を経過し、試合終了を迎えた瞬間、膝に手をついてピッチを見つめたDF南萌華(浦和)は考えていた。


「アメリカと比べるとスペインにはうまさや連動があって、日本と似たサッカーをしてくることは分かっていた。セットプレーも警戒していた。だけど…」


 日本は大会前や大会中、非公開練習を多く取り入れている。それにより緻密な守備が作り上げられているのだろうし、試合を見る限り、攻守のセットプレーにも力を入れていることが分かる。しかし、セットプレーで得点を挙げたのはスペインの方だった。


 キャプテンの南は平常心のまま、「今日は負けたが、まだ次のパラグアイ戦がある。まだGL突破の可能性はあるし、ここで終わるわけにはいかない。日本中から選ばれた21人がここにいるんだから、そういった自覚と責任が自分たちにはあるはず」と淡々と話した。


 南がキャプテンに指名されたのは、今大会のアジア予選に当たる、昨年10月のAFC U−19女子選手権中国2017からだ。池田監督の就任後、初めての活動となる2017年2月の大阪府堺市キャンプから、このチームは10回の代表活動をしてきたが、南はすべてのキャンプ・海外遠征に参加してきた。


 その一方、浦和でプレナスなでしこリーグの出場機会に恵まれない苦しさも味わってきた。だがリーグ登録3年目の今季、南はようやくリーグ戦初出場を果たす。


「自分がいつも練習や紅白戦で対戦しているのは、(安藤)梢さん、(菅澤)優衣香さんなど、代表クラスの選手ばかり。リーグ戦出場は今までなかったけど、毎日の練習で成長できていたと思う」


 筑波大学に通いながら、日本屈指のFWと練習を重ねた日々によって、南のインターセプトやカバーリングはさらに磨かれ、AFC U−19女子選手権優勝、そして今季のリーグデビューにつながった。


 今大会でCBを組む高橋は、スペイン戦後に「まだ流れの中から失点していないことは、ポジティブなところ。自分はまだまだミスが多いけど、萌華さんを中心とした守備のおかげ」と、浦和の1年先輩に感謝しきりだった。


 ミックスゾーンを離れる直前、南は「負けは悔しいが、落ち込んでいる選手はいないと思う。こういう時こそ、みんなでひとつになるために、みんなの力が必要。下を向かずに、全員が自分の持っている力を出して、次のパラグアイ戦に向けてみんなでいい準備をしていけたら、絶対に結果はついてくる。今までもそうだったが、もちろん今日からも、自分にできることは何でもしたいと思います」と話したが、どことなく晴れやかな表情が印象的だった。


 このチームは、AFC U−19女子選手権のU−19オーストラリア女子代表戦で、自らのミスで先制点を許したが、その後に逆転勝利した。中国遠征では、これまで経験したことのないような完全アウェーの環境を味わった。


 次のパラグアイ戦は、勝利したとしても他会場の結果によって敗退、負けたとしても準々決勝進出の可能性を残す。スペイン戦で失点の原因となったミスについては、なぜミスが生じたのか、今後同じような場面ではどうすべきかをチームで話し合い、複数のルールを決めればいい。このチームはまだ若い。今後のサッカー人生で、逆境に立たされることは何度もあるはずだ。完封負けからの巻き返しに期待したい。


取材・文=馬見新拓郎


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