機転の利いたプレーで殊勲の同点弾…前回準V・作陽をけん引するMF山田優衣

機転の利いたプレーで殊勲の同点弾…前回準V・作陽をけん引するMF山田優衣

 第27回全日本高等学校女子サッカー選手権大会が3日に開幕し、兵庫県内で1回戦の16試合が行われた。


 夏の全国高等学校総合体育大会サッカー競技大会(インターハイ)でベスト4の前橋育英高校(関東6/群馬)と、前回大会で準優勝の岡山県作陽高校(中国1/岡山)の対戦は、1−1のままPK戦で勝敗を決することになり、PK4−5で作陽が前橋育英を下した。


 昨季のチーム最高位・準優勝を上回る初優勝を目指す作陽は、攻め急いだことにより特に前半はタイミングの合わないフィードを連発し、自らリズムを崩していった。後半になってもそれは続き、60分にはついに先制を許す。左サイドから両足の精度の高いキックでチャンスを演出していた作陽のMF山田優衣がファウルをして前橋育英にFKを与えると、それに合わせたFW狩野蒼葉にゴールを奪われた。しかし、わずか40秒で追い付いてみせる。


 作陽に同点弾をもたらしたのは、山田だった。均衡が破れ、試合再開のキックオフ直後、ロングフィードを右サイドで受けた山田は、前橋育成のDF川崎そらを抜いて、ペナルティエリア内右に侵入したところで左足を振り抜く。


「喜び合っている相手の左サイドがおろそかになっていると感じたので、いけると思って右サイドを走ったら、いいボールが来た。切り返した瞬間、打ったら入ると思って。あれは(ゴールを)狙いました」


 失点直後に主戦場の左サイドから右サイドへ移動し、ゴールから遠い位置からクロスではなく不意を突くシュート。機転の利いたポジショニングとプレー選択によって、自らのファウルで招いた失点を帳消しにした。


 しかし、山田はPK戦で5人目のキッカーを任されたが、右足で放ったシュートはクロスバーに阻まれて失敗。GK中村香苗の活躍によって2回戦に駒を進めた瞬間、山田は喜びよりも、同じくPKに失敗したMF中村萌愛とともに、安堵の表情だった。


「今回はGKの香苗に助けてもらったけど、次の対戦相手も今日PK戦で勝ってきただけに、手強い相手になると思う。前半で苦戦したところを夜に見返して、ミーティングして、最初から流れを作っていきたい」と、約24時間後に対戦する聖カピタニオ女子高校(東海2/愛知)を警戒した。


 2年連続の決勝の舞台を目指す山田は来季、プレナスなでしこリーグ2部のオルカ鴨川FCでプレーすることが決まっている。


「前回大会の準優勝以降、自分のスピードを分析されて対応されることが多くなった。ひとつの特長だけでは上のレベルで戦っていけないから、特長は生かしつつ次のことにもチャンレンジして戦いたい」と、自らの新しい武器を模索しながら、山田は作陽を日本一に導いていく。


取材・文=馬見新拓郎


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