同じビルに入るラーメン店からの出火で店舗を失った焼き鳥店。

常連客のために再起をかける店主にHTBの朝の報道情報番組「イチモニ!」が密着しました。

ビルの火災ですべてが…焼き鳥店 店主再起への道 

丁寧に手打ちされた串に、食欲をそそる香ばしい香り。炭火でじっくりと焼き上げられた焼き鳥。

店主自ら足を運んで探し出したお肉に、野菜と肉の旨みが溶け込んだタレその味に惚れ込むファンも多くいる「一人焼き鳥B(ビィ)」。SNSや口コミで評判が広がり、席は前日までに予約でほぼ埋まるほど。

実はこの店…

同じビルの他店から出火…全焼

今年1月、お店の入っていたビルの別の店舗から出火する火事がありました。炎はあっという間にビルを覆いつくし全焼。

失意の中、店主の只野知紀さんは、自分の焼き鳥を待ってくれる人たちのために再起を胸に誓います。しかし、それは苦難の道でした。

こだわりの備長炭が使える店は…

店の再出発を胸に、物件を探す、店主の只野さん。

只野さんの焼き鳥に欠かせない備長炭が使え、程よい広さのある場所。それがようやく見つかり、復活への道のりが始まりました。

3月から本格的に工事がスタート。少しでも出費を減らすべく、只野さん自ら廊下や店内の塗装を行います。

お店の看板も自ら取り付けます。店名の一部「Bだけのシンプルな看板。実は前の店で唯一焼けずに残ったものでした。

オープン目前に思わぬトラブル

オープンまで残り2週間。順調に工事は進み、もうすぐ完成というところで焼き鳥店には欠かせない排気ダクトにトラブルが。

作動しているはずなのに弱く、少ししか煙を吸い込めません。外から足場組んで排気口を確認。一部がふたで塞がれていたため外しますが変わらず、風量が足りないことが判明。そこで急きょ、ダクトのファンをひとつ追加することに。

不安の残るまま、時間だけが過ぎていきます。ファンの増設など予定にはなかった工事で大幅に遅れ、仕込みなど食材の準備はほぼできず。焼き鳥を焼く炭に火を入れることができたのは、オープン前日でした。

お店を失って以来、4か月ぶりに焼き台に立つ只野さん。その姿を妻の綾子さんも見守ります。

不安だった排気ダクトですが、けむりをしっかりと吸い込んでいるようで一安心。

命の次に大切といっても過言ではない自分の店のタレ。しかし火事でこの「タレ」も失っていました。新しい店で使うタレは、「役に立つなら」と、同業者の仲間たちが分けてくれたものでした。

ついに新店舗オープン 店内に常連客の笑顔広がる

オープン当日。

これまでの店の常連客や仲間たちからお祝いの花が次々と届きます。さらに直接激励に駆けつける仲間の姿も。

この日は予約ですでに満席。只野さんの焼き鳥を待ちわびた人たちで店内はいっぱいに。

久しぶりに只野さんの焼き鳥を食べたお客さんからは、待ちわびた味を絶賛していました。

すべてを失ってからの再起。只野さんは「途中であきらめず、店を再建してよかった」と話していました。

【お店情報】
一人焼き鳥B(ビィ)
中央区南3条西4丁目9 カミヤビル3階

営業時間:午後6時〜午前1時
※5月は午後6時〜午前0時 不定休
☎011-838-8858